魔女に会いに行く
「これはどういうことですか!」
レイヤから話を聞くなり、トールは真っ青になって駆け出した。
レイアがそんなトールを追いかけて行くと、そのままある部屋にノックもせずに開いてトールは叫んだのだ。
そこにはトールをそのまま年を取らせたような男が、灯りをつけて本を読んでいたのだが、
「どうしたんだ、トール。そんなに息を荒らげて」
「どうしたんだって……何でレイア姫といきなり婚約することになっているんですか! 父さん!」
トールは叫びながら、ずかずかと部屋の中へと入っていく。
そんなトールに父と呼ばれた彼は深々と嘆息して、
「なんだ、レイア姫は気に入らなかったか?」
「いえ、そういうわけではなく……」
「じゃあ、いいじゃ無いか。凄い別嬪さんだし」
「そうじゃなくて、どうして僕に一言も言わず……」
「じゃないとまた追い出すだろう、トールは」
「窓から、どんな人かこっそり様子を見ていただけじゃないですか! それを真っ青い顔をした幽霊がいるって大騒ぎして皆逃げちゃって……。陽の光を浴びると目眩がするからあまり外に出られなくて肌が白いだけなのに……これも全部魔女の呪いのせいだ!」
「あー、それに関しては悪かったと思っている。だが私がいってももう二度と魔女は会ってくれないしな……。だが、まあ、いいじゃないかレイア姫と婚約」
「でもですね心の準備が……」
「所でレイア姫、トールはいかがですか? 面食いの貴方のお眼鏡にかないますか?」
そこで入り口で様子を見ていたレイアの話が振られる。
真っ青なトールが不安そうにレイアを見る。
それを見ながらも、レイアは綺麗な人はこんな顔でも綺麗なんだなとトールを見て、次に父親を見て将来も安泰だと思って、
「最高です!」
「だそうだ、良かったなトール。昔からレイア姫を遠目でチラチラ見ているだけだったからなー」
そんな話知らないんですがとレイアがトールを見る。
トールは耳まで真っ赤になっている。
可愛いとレイアは悶絶しそうになった。
同時に男の人ってこんなに可愛いものだったのかと、愛おしくなる。
今までこんな、初で純情そうなトールみたいな男は回りにいなかったから。
これは絶対に逃してはならない物件だ、そうレイア姫は決めた。
「そんなわけで、私は貴方に一目惚れしましたので!」
「え……えっと……えーと、ええっと……一目惚れ?」
「一目惚れ!」
「……もう少し、俺の中身も好きになって欲しい」
何この可愛い生き物! とレイアは思った。
その不満そうな様子も、全部レイアが見かけが好きだからふてくされているのだ。
なんだか色々駄目になりそうにながらもレイアはトールの両手を掴んで、
「愛は育むものなので、これから育んでいけばいいんです。私多分、貴女の性格も中身も愛せる気がします!」
「え! あ、う……そうなんですか。うう、こんな急展開になるなんて……あ!」
「どうかなさいましたか!」
「でも俺には呪いが……」
「そんな呪いなんて大した事はありませんわ! なんだったらその呪いを解きにその魔女をぼ……会いに行きましょう!」
「……今、ぼ、って」
「気のせいですわ。それで義父様、どこにその魔女がいるのですか!」
すでに義父様呼びになっているが、そう呼ばれたトールの父もまんざらでもない様子で、
「ふむ、早く孫の顔を楽しみにしているぞ、義娘よ! これだけ活発な方が、トールにはいいかもしれないな」
「それで魔女は一体どこにいるのですか!」
「すぐ側の森のなかだ。まぁ、トールが恋人と一緒に来たら教えてあげてもいいわよと言っていたから、多分二人でいけば教えてくれるんじゃないかな、呪いの解き方」
「そんな話聞いてませんよ、俺は!」
「うん、言っていないからな」
トールの父が言い切り、トールが頭を抱えた。
そして、今日は夜遅いので、行動を起こすのは明日からという話になったのだった。
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