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学校日和2  作者: めろん
99/235

第99回 雪遊日和

後書きにお知らせがあります。ちなみにサブタイは、雪遊び+日和で雪(略

 朝、薄暗い部屋のカーテンを開けると、窓の向こうには眩しく輝く世界が広がっていた。


「――! ミントォ!!」


それを見たポトフの瞳は眠そうな状態から一転してきらきらと輝き、その輝きを保った状態でまだ眠っている友人の名を呼んだ。


「ん……分かった。タマネギが嫌いなんだね」


すると、ミントは布団に潜ったままふやふやと返事を返した。


「何の話?! 俺タマネギ大好きだぞォ!?」


突っ込む箇所が多少ずれていることも気付かずにミントの枕元に移動したポトフは、


「……今思い付いた秘奥義……」


わざわざ口にしなくてもよろしいと思われる言葉を用いつつ、フッと精神統一の為に瞳を閉じた。


「お布団没収!!」


ガバーッ!!


「って寒ううううう?!」


先程の精神統一をした意味が分からないほど至ってシンプルな文字通りの秘奥義をミントにお見舞いした。


「寒っ、ちょ、寒っ、布団布団!!」


「んなことより外見ろよ外!!」


寒い寒いと訴えるミントをんなことよりで片付けながら彼を窓際に引っ張って行ったポトフは、


「な?!」


と、彼に同意を求めた。


「な? って、何さ?」


そんな彼に、小首を傾げるミント。


「ヒント。"ゆ"で始まって"き"で終わる二文字の言葉です」


「いやそれ答え言っちゃってるじゃん」


ポトフの親切すぎるヒントに突っ込みを入れた後、


「雪がどうしたのさ?」


ふああと欠伸をしながら、ミントは指をパチンと鳴らして暖かい服装に一瞬にして着替えた。


「何言ってんだよ? 雪があればなんでも出来るだろ?」


「いやなんでもは無理だと思います」


呆れたように小さく息を吐いたポトフは、ミントのさらりとした突っ込みをさらりと無視して、


「スキー出来るしスノボも出来るしソリも出来るし雪合戦も出来るし雪だるまも作れるし雪うさぎも作れるしかまくらも作れるしかまぼこも作れるしおにぎりも作れるしお寿司もつく」


「ちょっと待てちょっと待てちょっと待て」


指折りながら雪の万能性を挙げていったところで、再びミントの突っ込みが飛んできた。


「お?」


俺なんか変なこと言った? 的な顔をこちらに向けてきたポトフに、


「雪を食うな」


ミントは禁止の命令文を言い放った。













 国立魔法学校の入り口に立ち、まっさらな雪原を目の前に、


「俺は雪が大好きだ……っ!」


ポトフはキラキラに瞳を輝かせていた。


「そしてミントも大好きだ……っ!!」


「そりゃどーも」


その瞳を向けられたミントが適当に彼からの告白を受け流すと、


「そしてココアちゃんがだァーい好き――」


「イービルフィアー」


ポトフはココアを抱き締めようとしたところで、いつものごとく彼女にぶっ飛ばされた。


「まーたく、雪の何が珍しいのー?」


「あは、ココアの住んでるところは雪がよく降るもんね?」


呆れたように言うココアに困ったように笑いながら応えるミント。


「ぶう……寒いし眠い」


「あは……あの技は寝起きの悪いヒトには使わない方がよろしいという結果が出たね」


不機嫌なプリンに、ポトフの秘奥技の短所を発見したミント。


「おォ! 俺一番!!」


「あは、ヤッタネ、ポトフ」


バフッと雪の中から顔を出し、辺りを見回した後に嬉しそうに言ったポトフに、ミントは爽やかに同調してみせた。


「てなわけで早速! おりゃァァァ!」


立ち上がったポトフは頭に載っていた雪を基に、ごろごろと転がして雪だるまを作り始めた。


「……なんかあれだね。雪が降るとホントに犬は喜んで庭を駆け回るんだね」


「ホントにねー」


その様子を眺めながらのほほんと言うミントとココアの隣で、


「……」


ころころ


((って、お前もかー?!))


プリンがおもむろに雪玉を雪の積もった地面の上をころころと転がし始めたのたので、二人は心の中で同時に突っ込んだ。

――直後、


ヒュッ


「む?」


ドカアアアアアアアン!!


「「ってプリンー?!」」


何かが風を切る音が聞こえて顔を挙げたプリンの顔面に、何やらでかい雪玉が直撃した。


「あっはっはっ♪ どーおだっ!」


衝撃に耐えきれずに後方に吹っ飛んだ彼の名を叫ぶミントとココアと少し離れたところで、ポトフは楽しそうに笑っていた。

どうやら彼が作っていたのは雪だるまではなく、先程プリンに直撃した巨大な雪玉だったようだ。


「き……貴様……っ!!」


痛みと冷たさをこらえて、久々に頭に分かりやすい怒りマークを出現させつつ立ち上がったプリンは、


「ハンドルマター!!」


と、久々に無属性魔法を披露した。


「あっはっはっ! 上等だァ!!」


ので、久々な台詞を用いながら、ポトフは、いつの間にそんなにこさえた、と思わず突っ込みたくなるような数の巨大な雪玉を、プリンに向かって次々と投げ始めた。


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


ドカアアアアアアアアアンドカアアアアアアアアアンドカアアアアアアアン!!


と、明らかに普通の雪合戦ならば発生しないであろう音が絶えず鳴り響く中、


「はい、焼けたよー」


「わは〜、かまくらの中でホントに餅って焼けるんだね〜」


我関せず、な勢いで、自分たちで作ったかまくらのなかに入ったミントとココアは、のほほんと餅をいただくのであった。



皆様こんにちは!

こちらは雪が大好きなめろんです!


学校日和は皆様のおかげで次回でめでたく100回を迎えます!

ので、次回は89回という微妙な数字の回から始まった、読者様参加型特別企画第二弾の結果つくられたお話をお送りしたいと思います!

のでので、もういらっしゃらないかもしれませぬが、最後のあがきということで、2月12日を〆切にしたいと思います!

のでのでので、まだ参加してない人、もしくは追加したい人は感想/評価欄に急げ☆←


毎度ご愛読ありがとうございます!

では、100回でまたお会いいたしましょう!!

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