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学校日和2  作者: めろん
44/235

第44回 びよクエ日和

後書きにて、お知らせがございます。ちなみに、サブタイは学校日和2クエスト、略して"びよクエ"です←

 時は夕方、世は異世界。

国立魔法学校、一階廊下の最深部にある北向の薄暗い教室にて、ピリピリとした空気が漂っていた。


「……この毒の名称はなんだ、ヴァレンタイン?」


「ひ、ヒメラル……?」


「あ?」


「ひにゃ!? ご、ごめんなさいっ!!」


理由は、此処が魔物学の教室で、今は魔物学の授業中だから。

魔物学を担当している銀髪長身の彼、セル先生は、どこの学校にも一人はいると思われる、多くの生徒たちから恐れられている先生である。


「チッ、……ブライト」


質問に答えられなかった猫耳少年、サラダが謝ると、舌打ちしなさったセル先生は、サラダの代わりにミントを指した。


「え、えっと、ヒメイヤ」


「そうだ。そのヒメイヤが……」


ミントが答えると、セル先生は黒板にチョークを走らせた。

 無事に質問に答えられたので、ミントはほっと胸を撫で下ろした後、ちらりと壁掛け時計を見た。


(! あと一分か!)


見ると、授業終了まであとわずか。

それが分かった途端、ミントはそわそわし始めた。


(そわそわそわそわそわ)


別に心の中で言わなくてもいいと思うが。


(そわそわそわそ―…)


「では―…」


キーンコーンカーンコーン


(!)


授業終了の鐘が鳴り、ミントはぱあっと明るくしてセル先生の方を見た。


キーンコーンカーンコーン


「……。……今日はここまでだ」


本当はもう少し授業を進めたいところだったのだが、そんなミントと目が合ってしまったので授業を終わらせた、意外に優しいセル先生。

やっと解放された!! と言わんばかりに、いそいそと教科書類を片付ける生徒たち。


(終わった終わった♪)


彼らに負けじと素早く机の上を片付けて、ミントが急いで教室を出ようとしたところ、


「ぷわ……。……む? 終わったのか?」


「くァ〜……よく寝たァ〜!」


「!!」


寝起きプリンと寝起きポトフが現れた!


属性:風と光。

戦力:共に10。

知力:共に10。

容姿:共に10。

授業態度:共に−10。


「よし! 早速食堂に行こォぜェ、ミントォ♪」


ポトフの先攻。

必殺スマイルお誘い攻撃。


(……くっ……流石授業中ずっと寝てただけあって、ふてぶてしさ極まりないっ!)


ミントは相手の様子を窺っている。


ガシッ


「「?」」


と、そこへ、


「何処に逝くって?」


「「?!」」


セル先生が現れた!


属性:闇。

戦力:10。

知力:10。

優しさ:2。

厳しさ:10。

気の長さ:−9。


「そんなに眠いなら、俺が永眠させてやる」


セル先生の暗剣ちらつかせ攻撃。


「あ……あっはっはっ……そんなご冗談―…」


両手を前に出しつつ、乾いた笑い声をポトフが発すると、セル先生はふっと口の端を綻ばせ、


「俺は、貴様らの次に冗談が嫌いだ」


二人の首に、逆手で持った暗剣を突きつけた。


「「ミントーーー!!」」


真面目に生命の危機を感じ取り、ミントに助けを求めるプリンとポトフ。


「頑張って!」


どぴゅん


「「ミントおおお?!」」


が、ミントはこの隙に逃げ出した。












「ほっ、ほっ、ほっ!」


 自業自得ではあるが、生命の危機に瀕した友を超えてきたミントは、軽快に階段を駆け上がっていた。


「ほっ、ほっ……ほ?!」


しかし、その足は、二階の廊下に出たところでフリーズした。

それは、


「! ミントきゅ〜〜〜ん!!」


チロルが現れた! から。


属性:雷。

戦力:9。

知力:9。

容姿:10。

スタイル:10。

ミント夢中度:MAX。


「って、なんだその最後のパラメーターはああ?!」


チロル特有のパラメーターに突っ込みを入れる、顔が赤いミント。


「やぁん♪ ミントきゅん一緒にディナーアンドスウィートタイムを―…」


そんなミントに駆け寄るチロル。

しかし、チロルとディナーアンドスウィートタイムを取っている場合ではないミントは、


「チロルごめんローズホイップ!!」


バシーン!!


駆け寄ってきた彼女を迷わずぶっ飛ばした。


「あぁん、強烈ぅっ♪」


すると、チロルは嬉しそうにぶっ飛んでいった。













「ふうっ……あと少―…」


 四階にある、ウサギさん寮へと繋がる渡り廊下に差し掛かったところ、


「眼鏡、眼鏡……」


両手両膝を床につけてベタに眼鏡を探しているアロエが現れた!


属性:炎。

戦力:7。

知力:10。

視力:左右共に0.02。

容姿:9。

スタイル:5。

危険度:10。


「あ、眼鏡」


ミントはアロエの眼鏡を手に入れた。


「はい、あったよ眼鏡」


そして、アロエにそれを手渡した。


「わあ」


「!」


眼鏡を受け取り、表情を明るくしたアロエ。

が、殺気を感じ取ったミントは、


「ありがとうござい―…」


「どういたしまして!!」


アロエがお礼を言い終わる前に、どぴゅんとその場から逃げ出した。


「……チッ。感付かれましたか……」


袖口にメスを隠し持っていたアロエは、悔しそうに舌打ちした。













「ヌタウナギ!!」


ゴゴゴゴゴ……


 ウサギさん寮に入る為、ミントが銅像に向かって合言葉を言うと、引き戸に見せかけた押し戸が重々しい音を立てて開いた。


「よし、これで―…」


談話室を駆け抜け、男子寮への階段を上り切ったミントが角を曲がると、


「――え?」


彼は自分の目を疑った。

と同時に、自然と動かなくなる彼の体。

ミントの視線の先、彼とプリンとポトフの部屋の前に――


「! あ」


――ミントが二人現れた。


「え、ええええええ?! オレが三人いるうう!?」


目の前で起きている信じられないホラー現象に思わず絶叫するミント。


「「え? あ」」


ぽわんっ


「違うよー? 私はココアー」


「そして、わたくしはムースですわ」


すると、第二のミントと第三のミントが変身魔法を解き、そこからココアとムースが現れた。


属性:闇と水。

戦力:共に9。

知力:共に10。

容姿:共に10。

スタイル:共に9。

彼に夢中度:共にMA―…


「ヘーーーーーーイ?!」


「「?!」」


アメリカンにナレーションを妨害したココアに、ミントとムースから痛い目が向けられた。


「こ……こほんっ」


それに気付き、わざとらしく咳払いをするココア。


「……二人して変身魔法なんか使ってこんなところで何してんのさ?」


さらりと流してあげる優しいミント。


「だって此処は男子寮だよー? 女の子のままじゃ入れないでしょー?」


「ですから、ミントさんの姿をお借りしましたの。それなら怪しまれないでしょう?」


「ねー」


顔を見合わせて頷き合う二人に、


(オレが二人もいる方が不自然だとは思わないのだろうか?)


ご尤もな疑問を浮かべるミント。


「って、そんなこと考えてる場合じゃなかった!!」


と同時に、はっとしたミントは、慌てて部屋の鍵を取り出してドアにそれを差し込んだ。


「あ、ねーミン―…」


「ポトフとプリンならセル先生に怒られ中だよ!」


ガチャッと鍵を開けつつ、ミントはココアの質問途中で答えを述べた。


「な!? べ、別にムースがプリンに会いに来ただけだも―…」


「し!!」


その答えにもの申そうとしたココアを黙らせ、部屋の扉を開くミント。


「「!」」


すると、正面の窓から、ゆっくりと細くなっていく三日月が見えた。

その三日月は徐々に光を失い、やがてすっぽりとこの惑星の陰に隠れ、赤黒い輝きを放ち出した。


「今日は月食の日でしたのね……」


と、ムースが呟いた直後、


『『キュルオオオオオオオオオオオオオオオ!!』』


「「?!」」


部屋の中から、甲高い笑い声のような鳴き声が聞こえてきた。

それに驚いて、赤黒くなった月から目を離すココアとムース。

すると、丁度その先に――


『『キュルオキュルオキュルオオオオオオオ!!』』


「「……何あれ?」」


まさに、何あれ? な物体があった。


「……マッドプラントの花だよ。月食の時にしか咲かないんだあ……」


彼女たちの問いに、ミントが静かにそう答えた。

何あれ? な物体は、そう言われてみれば花にも見えなくもないような形をしていて、それはそれは毒々しい蛍光色を纏い、真っ暗な部屋にこれでもかというほど己の存在をアピールし、


『『キュルキュルキュルオキュルオキュルオキュルオオオオオオオオオ!!』』


気が狂ったかのように爆笑している。

――これが、一年に片手で数えられるほど咲くか咲かないかの、非常に珍しいマッドプラントの花。


「……感動……」


マッドプラントの、まさにマッドな花を眺めてうっとり感動しているミントと、


「「……」」


気分が悪くなったのか、口を押さえるココアとムースであった。


『『キュルオキュルキュルキュルオオオオオ!!』』



皆様こんにちは!


ポトフ

「びよってますかァ?」


今回は、しょーもないお知らせではなくて、真面目なお知らせを致します。

真面目なお知らせ。それは――


「バカ作者が調子こいて、"人気投票"を開催するそォでェす。って、これも充分しょーもねェと思うぞ?」


……はい! 突然ですが、本日より調子こいて『学校日和2キャラクターズ人気投票』なるものを開催しちゃいたいと思います!


「作者はすぐ他の作者様の真似をしたがるからなァ」


こほん。

票はお一人様二票で、学校日和2の感想欄、または、メッセージにて、貴方様の学校日和2のお気に入りのキャラクターにご投票なさってくださいお願いしますいや真面目にホントに―…


「しつけェ」


あと、キャラクターたちに質問等がございましたら、同時進行でどうぞ!

期日は60話が更新されるまでです!


「漠然としてんなァ」


しゃーねえなぁ、やってやるか! と、一ミリでも思ってくださったそこの寛大な懐をお持ちの男前or女前なアナタ!

貴方の清き二票が、めろんを救います!


「意味分かんねェよ。……一が一来なかったらどォすんだァ?」


一が一じゃなくて万が一。それじゃあ100%来―…ないかもしれませんが、まあ、その時はドンマイってことで♪


「わォ、ポジティブ♪」


この後書きを消去します♪


「と思いきや、せけェ?! ……とまァこんな感じですが、皆様のご協力をお待ちしておりまァす♪」


はい! お待ちしておりますですはい!!

以上! なんか調子こいちゃった作者からのお知らせでした!


「では、また次回! それまでェ、アディオスアミーゴォ♪」


わあ、何者?

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