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学校日和2  作者: めろん
210/235

第210回 理由日和

 体育祭を終えて、戻ってくるのは通常通りの授業。

それをこなした後の昼休み、ミントはいつものようにコーラを飲んでいた。


「でもやっぱり二対一はきつかったね」


「ふふふ、僕の勝ち」


プリンとお話しながら。


「でも、二対二だったら負けていた」


「へ? そうかな?」


話の流れからして、どうやら先日のサバイバルバトルはプリンとポトフが勝利したようだ。


「うむ。馬鹿犬が完全に使い物にならなくなる」


すっぱりと言い切ったプリンは、食後のプリンを片手に。


「あはは、そうだね。ポトフがココアを攻撃なんて」


 そう言うミントの目線の先で、ポトフは今まさにココアからの平手打ちを食らっていた。


「うむ。何か知らないが、変なこだわりがあるらしいからな」


そのこだわりというのは、今までの学校生活で見てきたもの。


「……」


そんな彼を見て、ミントはなるほど、と納得した。


「弟想いだねぇ?」


それゆえ出てきた、この一言。


「ぷあ?!」


彼の言葉に、プリンは思わずプリンをスプーンで一刀両断。


「な、なななっ、何を言って」


慌ててこちらに顔を向けた彼を見て、分かりやすいなぁと至極平凡な感想を抱きつつ、


「や、だからあの時怒ってたんだなぁと思って」


ミントはさらりとそう言った。

ちなみにあの時とは、ココアが小さくなっていたときのこと。

ポトフのみならず、自分にまで興味を持たれたことからきたあの感情。


「アロエの魔法からも、ポトフがどれだけココアのこと好きなのか知ってるわけだし」


それなのに、彼だけを見ない彼女にお冠。


「……。……それだけじゃない」


 ぶう、と、自分の考えを見透かされてしまったプリンは、拗ねたように膨らんだ。


「うん、それもなんとなく分かるよ」


「ぴわ!?」


しかし、ミントの観察力は予想以上だったようで。


「たぶん、それがムースに対しての対応の理由だよね?」


彼は、ちゅーとコーラを優雅にストローでいただきながら、勝ったような笑顔でそう言った。


「……。……むう、ミントすごい」


「伊達に長い間一緒にいるわけじゃないって」


負けを認めたプリンに、ミントは楽しそうに笑ってみせた。


「まあ、オレから見たら羨ましい悩みだと思うんだけどなぁ」


 悔しそうな表情のプリンに対し、ミントはコップのカラカラと氷を鳴らしている。


「……」


「?」


すると、彼がじっとこちらを見てきたため、


「あ。大丈夫大丈夫、オレはそんなのじゃないって」


ミントはプリンの頭に頑張って手を置いた。

ちなみに、頑張らなきゃいけないのは、二人の距離と身長差に起因する。


「……でも、ムースもたぶん違うと思うよ?」


よしよし、とされるがままに頭を撫でられながら、プリンは何かがちょっと引っ掛かっているご様子。


「それこそ、ポトフみたいな感じの感情なんじゃないかな?」


そんな彼に言い聞かせるように、ミントはちょっとしたお節介。


「……むう、あいつのココアに対する気持ちは原因不明だ」


アロエの魔法で写し取ったのは、あくまでもポトフの"恋愛感情"のみ。

その根本の理由は、彼にはよく分からない。


「ミントもそうなのか?」


 ゆえに、恋愛感情とやらは一般的にあんなものなのかと質問した。


「え」


すると、ミントは急に停止した。


「む?」


止まった、と、プリンは、ミントの顔の前でふいふいと手を振ってみる。

その顔は、さっきまでよりは確実に赤い。


「……ふむ」


その様子から、なんとなく彼もそうなのかと分かったプリン。

 しかし、ここで新たな疑問点。


「ミント、チロルちゃんは危ないぞ?」


何故ミントは、チロルが好きなのか。


「へ?」


 危ない? と、首を傾げた彼。


「だって」


チロル、と言ったら。


『ヒヒヒヒヒヒヒヒ!!』


と、赤い血を見て悪魔のように極悪顔で笑い狂い、


『死ねええええええ!!』


と、鬼の形相で斧やら鎌やらをブンブン振り回す。


「ぴわわわわ……危ないぞ!!」


「いや、キミのなかのチロルってどんなイメージなのさ?!」


とある記憶が鮮明によみがえり、ゾッと顔を青くしたプリンに、ミントはびくっと突っ込んだ。


「危険だミントっ!」


「だ、だから、どう危険なのさ!?」


「とにかく危ないっ!!」


「いや、だからどんなイメージを植え付けられてるのさキミは?!」


「く……、くるとん!!」


「くるとん!? あの、赤い血を見て極悪顔で笑い狂いながら鬼の形相で斧やら鎌やらを振り回す殺人鬼のオバケのくるとん?!」


「うむ、まさにくるとんだっ!!」


「いやいや、くるとんはお話上の存在でしかもオバケであって」


「くるとんの生まれ変わりだっ!!」


「って、くるとん生まれ変わったあああ?!」


なにゆえプリンがチロルに対してそんなイメージを持ったのか分からないながらも、説明口調で驚くミントであった。


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