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学校日和2  作者: めろん
114/235

第114回 不敵日和

 ウグイスも鳴き始めた春の日の朝、


「うー……」


『アイ』


『アム』


『『メルヘン!!』』


『む〜!』


「……ん……」


爽やかに目を覚ましたところ、窓の外から変な掛け声が聞こえてきたので、ミントの爽やかテンションは急降下した。


(マロとむぅちゃんならまだなんとなく分かるけど、どうして結構まともでいい子なフランまであんなことを……?)


そんなとこを思いながら、ミントがカーテンを開けた後に帽子を取る為に反対側を向くと、


「ぐーすかぴー」


右側の前髪が右側の顔を隠すほど伸びた長身の男、死神が、大鎌の鎌子とともに彼の横でぐっすりと眠っていた。


「……」


「ぐーすかぴー」


死神が、鎌子とともに彼の横でぐっすりと眠っていた?


「あっ、危なぁぁぁ!?」


寝起きにつき、突っ込みポイントが若干ずれているミントであった。














「ごふっ……みんとんヒドイ……」


 あれからものの一分も経たないうちにミントにぼっこぼこにされた死神は、薔薇の鞭によって縛り上げられていた。


「ご、ごめんね? なんか本能的にキミをぼっこぼこにしなきゃダメだと思って……」


申し訳なさそうに謝りながらも、ほどいてやる気は更々ない様子なミント。


「オレ様ちゃんと許可貰ったのに。ぶーぶー」


縛られたままゴロゴロ転がりながらぶーぶー不満を言う死神。


「? 許可?」


彼の言葉に、ミントが小首を傾げると、


「"みんとーん"、"んー"、"ん? 起きないのか?"、"んー"、"フッフッフッ。じゃあ、オレ様も一緒に寝るー"、"んー"って」


「いやそんなのまったく記憶にございませんって言いますか本気にしないでくれますか?!」


どうやら死神が眠っているヒト相手の会話を本気にしたらしいので、彼は思い切り突っ込んだ。


「それで、鎌子も寝たいかって聞いたら寝たいって答えたから」


「いやいやいや待て待て待て?」


鎌子を操り、その刃でぶちぶちと薔薇の鞭を切りながら言う死神に、


「寝たいって答えた?」


ミントは疑問に思ったことを口にした。


「鎌子って、喋れるの?」


すると、死神はフッフッフッ、と不敵に笑ってみせた後、こう答えた。


「鎌が喋るわけないだろ」
















「ごふっ……みんとんヒドイぱあと2……」


 あれからものの一分も経たないうちに更にぼっこぼこにされた死神は、鎌子とともに、


『『ジェララララァ!』』


マッドホイップによって縛り上げられていた。


「ごめん。寝起きにつき、少々機嫌が悪いところにイラっと刺激がやって来たから、つい」


寝起きにつき、ついつい縛り上げてしまったうっかりミント。


「フッフッフッ。も〜みんとんったら、うっかりさん☆」


「ははははは」


バッチーン☆ とウインクして言った死神に、取り敢えず笑って返した後、


「……で? キミはここに何しに来たのさ?」


ミントはマッドホイップをほどいてやりながら質問をした。


「おお、そうだ。オレ様、みんとんに聞きたいことがあってな」


すると、死神は思い出したようにそう言った。


「……ん? 何故ふしぎ植物をオレ様に向ける?」


「え? あ、いやー、また"友達百人出来るかな?"とか聞いてきた時の為にね」


首を傾げた死神に、しまいかけたマッドホイップを構えたミントは爽やかにそう答えた。


「……ち」


すると、死神は小さく舌を打った。


(聞く気だったんすか)


が、ミントは敢えて聞き流した。


「……フッフッフッ。甘いな。それもあるが、オレ様が聞きたいのは」


これは振り下ろすべきなのか? とか、鞭を握っているミントが悩んでいると、


「みんとん今日ヒマ?」


死神は小首を傾げて質問した。


「へ? どして?」


突然今日の予定を尋ねてきた彼に、ミントが小首を傾げ返すと、


「フッフッフッ。実は、みんとんにオレ様のお仕事を手伝っていただきたくて」


いつものごとく不敵に笑った後、何故か急に下手に出た。


「……? ワタルの仕事って?」


仕事? 学生じゃないの? と、ミントが疑問符を浮かべていると、


「ん? それはオレ様を見ればすぐ分かるだろ?」


今度は死神が疑問符を浮かべ返した。


「ワタルを見れば……」


「いやん」


言われた通り目を向けて、恥じらう彼を無視してミントは死神をよーく観察してみた。

右目を隠す右側の前髪以外は長くない紺色の髪に、不健康そうな白い肌。

眠そうな紺色の瞳と、先が少し尖った耳。

襟が高くて、袖と裾の長い黒ローブ。

とどめに刃渡り一メートルほどの巨大鎌。


「……ま、まさか……」


彼をしみじみ眺めた後で、青ざめたミントは恐る恐る口を開いた。


「フッフッフッ。そう、そのまさか」


すると得意の不敵笑い。

死神は、彼の仕事の主役である巨大鎌を肩に担ぎ、クールボイスでこう言った。


「草刈りだ」


その後、ミントは一対の鞭で、この上なく思わせ振りな死神を三度締めあげた。



死神

「フッフッフッ。ちなみにオレ様は学生で、草刈りはみんとんのママンにやっといてって頼まれごふあっ」


ミント

「くあ……二度寝しよ」

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