三話 出社と初仕事 ①
久しぶりの投稿になります。最近もう一つの方に集中して書けなかったのですがちょっと息抜きにこちらを書いてみました。やっぱり書くのは楽しいですね。
俺の業務日誌 リュークス・ギルベルト
ドンドンドン!
その日の俺は部屋のドアをノックする音で目覚めた。いやノックじゃねぇな。殴ってる・・。
「朝よ!早く起きなさい!」
この声はアミィか・・・。
ん?そうかここはフィルの家だったな・・・。
ドガァーーーン!!
「うぉあ!!!」
見るとアミィがドアを蹴り飛ばしていた。
「早く起きなさいよ!!何時だと思ってるの!!」
「馬鹿野郎!だからってドアを壊すことないだろ!」
「大丈夫よ。あんたが直すんだから!」
なぜ大丈夫なんだ・・・。しょうがないから起きるか。
「な・・・・!!なななななな!」
「どうしたんだアミィ。起きてやったぞ。」
「ダメ!!近づかないで!!」
「ん??あぁすまん俺は寝るときはマッパだ。」
「はぁやく!!服を着ろぉーーーー!!!」
「ぐふぉっ!!!」
アミィの鉄拳が俺の頬を貫いた。
その後俺は服を着て5階のフィル宅へ向かってチャイムを鳴らした。5階は全部フィルん家なんだよなぁー。
ピンポーン
「あ、リュークおはよう。よく寝れた?さぁ入って!」
フィルが迎えてくれた。
中は和風なんだな・・・。なんだこの面・・・。この置物も・・。ここはなにか怪しい魔術でも研究してるのか?
「みんなーリューク来たよ。」
そういって俺を茶の間まで案内してくれたフィルはそのまま台所に消えていった。
「リューク おはよう」
「おっすウォール」
「リュークくんおはようにゃ」
「おはようアキラ」
「あれ、テンション低いぞ残念イケメン!」
「朝は弱いんだよマホ」
「・・・・・・」
「悪かったよアミィ。」
アミィだけそっぽを向かれた。
「よく眠れたか?」
「あ、はい。俺、枕変わってもすぐ寝れるんで大丈夫です。これからよろしくお願いします。」
フィルのじいさんにはちゃんと挨拶しなきゃな。
「ハッハッハ!昨日はあんなに元気だったのに朝は弱いとな!まあ自分の家だと思って過ごすといい。」
「ありがとうございます。」
自分の家か・・・。俺には家なんてなかったも同然だからイマイチわからねぇ。
「みんなできたよーー」
フィルとフィルの母ちゃんがおぼんで朝食を持ってきてくれた。どれ、手伝うか。
「あ、リュークありがとう。」
「座ってていいのよ」
フィルの母ちゃん優しそうだな・・・。
「いえ、お手伝いします。お前ら、手どけとけよー。」
今日の朝飯は・・・飯か。みそ汁と焼き魚、これはきんぴらか。うまそう。
「みんな揃ったね!じゃあいただきます!」
「「「「「「「いただきます。」」」」」」」
やっぱり朝飯はいいな。落ち着く。みんなと食べるのもいい。
「そういえばリューク、アミィが起こしに行ったときすごい音したけど?」
「アミィにドア蹴破られた・・・。」
「あんたが起きないのが悪いんでしょ!!」
「すぐ直しとくから大丈夫だよ。ちょっと待ってね。」
フィルはそう言うと携帯を取り出しどこかにメールしていた。
「よし!おっけ。」
嬉しそうに言ったフィルは食事を続けた。
「コロちゃんに頼んだの?」
フィルの母ちゃんが聞くと
「うん、アインに頼んだ。」
アイン?昨日の奴はワンだったような・・。
「すぐ直るからねリューク!」
「お、おぅ!ありがとなフィル!」
やっぱり飯を食べると頭が起きるな!調子が出てきたぜ!
「そういえば今日から研修ってことで仕事してもらうからよろしくね。」
フィルが皆に向かって言った。そうだよな、俺たちフィルのところで働きだしたんだもんな。
「具体的には何すればいいのフィル君」
マホが尋ねた。
「1ヶ月は窓口業務かな。とりあえずうちがどんな仕事してるか知ってもらいたいし・・。その後のことはまた説明するよ。それで大丈夫おじいちゃん?」
「大丈夫じゃ“ふぃりっくす”。それまでには終わるじゃろ。」
1ヶ月後何があるのかわからないがまずは仕事を覚えないとな!それにはまず腹ごしらえだ!!
「なに突然元気になってるのよ!ご飯散ってくるでしょ!」
アミィに怒られてしまった。
「「「「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」」」」
「おかあさんの料理おいしかったですにゃ!」
「あらそう?嬉しいわーアキラちゃん。」
フィルの母ちゃんがアキラに抱き着いた。
「くすぐったいにゃおかあさん。」
「後でブラッシングしてあげるわね。こんなに気持ちいいなんて・・・。もふもふ」
「おかあさんそのくらいにして片付けするよ。みんなは部屋でゆっくりして8時50分に下に集合ね!」
それにしてもフィルはしっかりしてるな。父親がいないって言ってたし、社長なんだよな。俺たちより前に仕事を初めて何だか先を越された気がする。まあそれは学校に入学した時から思ってたけど。
「フィル、手伝うぜ!」
「ありがとうリューク、じゃあこっちに来て。アキラはブラッシングでもしてもらっててよ。」
「もうしてるわよーーー。もふもふ」
「フィルくーーん!」
アキラはフィルの母ちゃんに捕まっていた。
皿洗いの後部屋に戻るとドアが直っていた。早すぎるだろ・・・。部屋でもう1回身なりの確認をした俺は集合時間の10分前に1階におりた。そこではすでにウォールがいて掃除をしていた。
「早いなウォール!」
俺が手を上げるとウォールも返してきた。
「ゆっくり できない はやく 働きたい!」
「ハハッ!俺も手伝うぜ!」
ウォールはやる気満々だな!そういえば配達業務らしいけど何を運ぶんだ?机の上には書類がたくさんある。どれどれ少し失礼。
ふむふむ・・・。手紙、小包、お土産、学校で使う教材。
・・・普通に配達だな。
「何見てるのリューク?」
「うぉお!!」
フィルに突然話しかけられた俺は心臓が飛び出るくらい驚いた。
「い、いや。仕事内容の確認を・・・」
なにもやましいことはしてないのになぜか言い訳をしてしまった。
「大丈夫だよ。うちはホワイト企業さ!!」
親指を立てて笑ったフィルが言った。まあそれは心配してないけどな。
「掃除してくれてたんだね!ありがとう。」
「フィル ゴミは?」
「あっ、こっちの大きいゴミ箱に入れておいて!」
「わかった」
そんなこんなで掃除をしているうちに女性陣が降りてきた。フィルの母ちゃんとじいさんも一緒だ。
「さぁ!朝礼を始めよう。」
そう言うとフィルの母ちゃんと爺さんはフィルの横に、俺たちはフィルの前に並んだ。
「おはようございます!」
フィルが今日一の声で言った。
「「「「おはようございます」」」にゃ」
「お、おはようございます」
やばい出遅れちまった!
「今日からこのワイルドキャッツ配達に新入社員がなんと5名入社してくれることになりました!よろしくお願いします!」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」にゃ」
今度は大丈夫。てかなんでみんな合わせられるの?
「新入社員の皆さんにはこれからうちの業務を覚えて会社に貢献していただきます。わからないことはドンドン聞いてください。」
「はい社長、質問です!」
マホが手を上げた。
「はいアリエスさん。」
なにこの事務的なやりとり!
「この会社の仕事はなんですか!」
「いい質問ですね!」
いや、テレビに出てる人のマネしなくていいから。
「わが社の業務はお客様から荷物を預かり、それを配達することです!」
「・・はい社長。」
アミィ、お前はなんで若干照れてるんだ!
「何だねスコルピさん?」
髭がないのに触るマネするんじゃないフィル!
「荷物と言うのはどんな種類があるんですか?」
「うむ!手紙や小包、業者から依頼された備品などだな!」
お前は社長だけどそんな社長を目指すのかフィル・・
「質問にゃ、シャッチョーサン」
お前はどこ出身だアキラ!
「荷物を運ぶのはこの星だけですかにゃ?」
「グッドクエスチョンアキラ!」
お前もかフィル・・・。
「もちろんこの星内の配達もありマース!バット!これからはみなさんが入社したので星間の配達もしていこうと思ってマース!」
まだ続けるか・・・。だがもうツッコまないぞ。ん?星間、まじで?
「サー!質問!!大佐!!」
誰が大佐だぁぁぁぁ!!あとお前なんでそんなに饒舌なんだぁぁぁ!!
「なんだ軍曹ぉ!!」
お前も乗るなぁぁぁ!!!
「サー! 我らの 担当を 教えてください!!」
「接客は皆できるようにする!その追加で頼みたいことがあるので発表する。マホ!!」
「サー!!」
なんで軍隊なんだ・・・。後お前の母ちゃんとじいさん笑ってるぞ・・・
「君にはうちの経理を担当してもらう!正直うちには遊ぶ金はない!無駄がなく且つ自由な資金運用を頼む!」
「サー!望むところであります!!」
これいつまで続くの・・・
「アミィ!!」
「・・・サァー・・・。」
お前顔真っ赤だぞ。
「声が小さい!!」
「さ、サァーーーー!!・・・・はぁ・・」
吹っ切れたが、やりきって後悔するんじゃない!!
「君には複数ある配達先から如何に効率良く回れるか考えてくれ!!そして、うちがどの分野で強みを持てるかマーケティングも頼む!」
「サァーーー!!・・・はぁ・・」
そういえばこれ、ちゃんとした役割話してるんじゃね?
「アキラ!!」
「ニャーー!!」
あ、そこはサーじゃないのか。
「君には遠距離の配達において給仕係をしてもらう!そして、配達先で見つけたもので他の分野に使えそうなものがあればどんどん発言してくれ!」
アキラの飯うまいからなぁ・・。
「ウォール!!」
「サァ!!」
お前は一番軍人っぽいから馴染むわ・・・。
「君はいろんな星の言語を喋れる。そこで!新規のお客様を取り込むためのセールスをしてもらう!!またアミィやアキラの提案にも手伝ってあげてくれ!」
「サァ!!」
ウォールの押しにかなう奴なんていないからな。
「そしてリューク!!」
「え?さ、サーー!!」
「特になし!!以上解散!!業務に戻り給え!!」
「「「サー!!」」」「ニャー!!」
「まぁぁぁてまてまてまてーーーーーーーーーい!!!!!」
俺がツッコミを入れたところでみんなは大爆笑していた。
「ふふふぅご、ごめんよリューク、ふふ」
「ごめんじゃねぇだろフィル!いきなり始めるからおどろくじゃねぇか!!」
「ははははh!!残念イケメンの顔サイコー!!ふふははは!」
「どうせお前が言い出しっぺだろマホ!!」
「わ、わたっしは、プッ止めたのっよ!ふふふh・・」
「一番芝居下手だわアミィ!!」
「ニャハハハハ!リュークくん最高にゃぁ!!」
「後でモフモフの刑だアキラ・・・。」
「おこ、怒るな これも 業務!! 」
「とりあえず一発殴らせろウォール!!」
俺は怒ったが不思議と笑っている自分もいた。なぜなら5年間一緒だった仲間が俺の為にしてくれたサプライズだ。
今までだってあったことだしそれがいつまでも続くことはいいことだと思う。もしかしたらそれに気づかせてくれるためにこんなことをしてくれたんだろうか・・。
なら素直に俺は嬉しい。




