Exhibitionism
「見てて寒々しい」
幼馴染みがアタシに向かって放った一言だ。
夏が過ぎ季節は秋になった。
それでもアタシの私服はノースリーブにショートパンツ。
別に外じゃないんだし、問題はないだろう。
幼馴染みの格好はというと長袖に薄いカーデを羽織っていて、黒いジーンズを履いている。
アタシの場合暑い寒いではなくて、どれだけ肌を露出できるかが問題なのだ。
そう言い切るアタシを見て幼馴染みは「この露出狂」と罵る。
事実だから否定もしないが、別に全裸で出歩くようなのじゃないんだからいい方だろう。
アタシは見られるのが好きなのだ。
女の武器でもある肌を隠す必要なんてないと思っている。
因みに部活も水泳部に所属して、理由は勿論水着になれるから。
「だから、悠ちゃんももっと肌を見せようよ」
ベッドから立ち上がり床に座る悠ちゃんと向かい合う。
悠ちゃんはアタシの目を見て顔を引き攣らせる。
綺麗な顔が見事に歪む。
ノースリーブの正面のボタンを上からゆっくりと外し、悠ちゃんにのしかかる。
サッと青くなった悠ちゃんは見てて面白い。
でも何度も言うがアタシは見てもらう側がいいので、悠ちゃんにアタシを見て欲しい。
「ねぇ、悠ちゃん…」
ボタンを外しながら悠ちゃんの頬に触れる。
あ、スベスベ。
見て?と言うと悠ちゃんはアタシの方を見つめる。
背筋に何かが走るような感覚がアタシを襲い包み込む。
熱っぽいと息を吐き出すと、スパーンッと見事な平手が飛んできた。
肌を見られる趣味はあっても殴られる趣味はないのに。
押し返されて息をつきながら服を直す。
肩で息をする悠ちゃんの視線が痛いほど突き刺さるがむしろ嬉しい。
うん、アタシ露出狂だね。