序
この物語は100%ギャグ物語ですが、登場人物の8割は人外である為、多少の残酷表現がある可能性もあります。
細かい表現はしないつもりですが、苦手な方はお気を付け下さいませ。
「う……嘘だ……」
呻き声にも似た、絶望的な声が漏れる。
「あ……有り得……ない……」
望んだのは、肯定の言葉か、夢オチか。
その言葉を肯定し、現実を否定して欲しかった。
僅かな期待を込めて周りを見回すが、芳しい成果は得られなかった。
オナカマであるはずの僅かな同族に視線をやれば、1人は、どうでもいいとばかりに無表情を貫いている。そしてもう一人は、仕方なさげに苦笑している。その表情には、はっきりと「諦めろ」と書いてあった。
更に視線を動かすと、夢にも似た現実が笑っていた。彼等の顔には、はっきりくっきりと「うぇるか~む」と書いてあったのだ。
逃げ場は、ない。
わかっていた。
わかっては、いたのだが……。
改めてその非現実的な現実を突き付けられ、頭の中は噴火寸前にまで達した。
そして、ぷつり、と何かが切れる音がした。頭が真っ白になり、何も考えられなくなる。
「……あ……」
ぷるぷると体を震わせながら、力の限りに叫ぶ。
「悪夢だーーーーーーーーー!!!!!」
その幻想的な世界に、少女の悲痛な魂の叫びがこだました。