小説家の心得
軽い気持ちで読んでいってください♪
「
小説家とは、個性を殺す職業である。
漫画家は個性を活かし、芸術家は個性を創る職業である。
なぜ、小説家は個性を殺さねばならないのか、簡単なことである。
漫画家はキャラを絵で表現する、芸術家は絵を個性で彩る。
しかし、小説には絵もなければキャンパスもない。あるのは文字のみ、記号のみ。
文字に個性が現れてしまっては、それは文章ではなく、ただの会話を記しただけになってしまう。
だから個性を殺すのだ。
初心者でも短編なら書くことができるだろう。
短いものならば、個性はさほど現れない。
しかし、長編ものになってくると、個性が浮き沈みし、文章が支離滅裂になってしまう。
個性は日々変化するものだから、文章も日々変化してしまうのだ。
だから、個性を殺さなければならない。
時として、個性を殺しすぎて自分自信を殺してしまった人もいる。
それほどに個性を殺すということは辛いことで、小説を書くというのは難しいことなのだ。
誰かが言った。
『人は誰しも必ず一作は面白い文章を書くことができる。簡単だ、自分の人生を書けばいい』
つまりは、その人の個性の表れである作品よりも、その人が見てきた過去のほうが万人にとっては興味がある、ということだ。
しかし、個性を殺しても、必ず、殺せないものがある。壊せない思いがある。
それが面白いのだ。それこそが、小説の醍醐味なのだ。
個性を殺して初めて手に入れることのできる「何か」。
それを書くことが小説家なのだ。
だから、それを得るために、小説家は日々個性を殺し続ける。
小説家として有り続けるために、個性を痛めつけ続ける。 」
「・・・・・・、」
「どう?どう?」
「あのさー、小説って、何かわかってる?」
「わかってるよ、失敬な」
「じゃあ、言ってごらんよ」
「自分の好きなように書いていい文章のことだよね」
「・・・・・・、小説舐めてるだろ、お前」
一応、私が小説を書くときに心がけていることだったりします。