姉とナルタ
キィッ
ドアの開けたのはとある人物だった。
会社帰りなのかスーツ姿で、肩までの水色の髪に顔立ちは晃に少し似ている。
人物は晃の家に入った。
「晃ーあれっ?何処に行ったのかしら」
部屋中を見るなり人物は台所に行き、冷蔵庫を見て余りもののケーキを出した。
「全く。こんなのしかないの?余計なものはあるのに…」
ケーキの隣にあった酒を睨みつけた。
人物は皿を出し包丁と取り出した時、一つの部屋の方から白い光が台所まで射してきた。
「くっ!?何この光は!?」
人物は原因の部屋に向かい、物影から部屋を見ていた。
そして光の中から人と思われる三体の影が、少しずつ姿を現わにした。
人物は刃物を構え突撃に備えた。
「!!!??」
人物は目を疑った。
底には見慣れた青年二人と見知らぬ少女が、現れたからだ。
三人はやっと晃たちの世界へと帰れた。
白い光にある人物は驚き物影から見ていた。
三人はある人物をいるのを知らず、それぞれ元の位置に座ります。
「懐かしー俺の家だー」
「やっと帰れたね~ディアロちゃんは?…なんでむぐっ!?」
紘斗は転移装置であるディアロの本体を探し見渡すとある人物を見て驚いた。
ある人物はしーっと紘斗の口をふさぐ。
「ディアロどこだー…ッ!!?」
晃は当たりを見た時ある人物を見て、言葉を詰まらす。
「ディアロー返事してー」
『私ハ此処デス』
エマのかけ声に反応し、ディアロは部屋の隅っこにあった。
「あった。見つかりましたよ。佐々木さん相沢さん……」
エマはディアロを取り上げ二人に見せたが、二人と人物を見て固まった。
その人物は紘斗の口をふさぎ、晃の首に刃物(包丁)を近づけていた。
「はじめまして、佐々木 梓といいます。晃の姉です」
ある人物=梓こと晃の姉はエマににっこりと笑顔で自己紹介をした。
「ここここちらこそ、エッエマとも申します!!あ、怪しい者ではありません!!よろしくお願いします!!」
エマは言葉を詰まらせながら言った。
無理もない梓の笑顔は、怒りがある笑顔だったからだ。
『私ハ、転移装置コト ディアロ ト申シマス。ヨロシクオ願イシマス』
ディアロはそんなことは気にせずに言うのだった。
「はい、こちらこそよろしくね。ところで…晃これはどいうことなのかしら?」
梓は晃の首にある刃物をさらに近づかせた。
「姉さん…ととりあえずさ包丁取ってよ…」
晃は今にも切り裂くのではないかと汗を出しながら願う。
「そうね~」
梓は晃から刃物を離し、紘斗の口から退かした。
「いたたっ梓さん痛いですよ」
紘斗は爪まで食い込んだせいか口の周りが爪痕がくっきり残り赤くなっていた。
「それは良かったわね~。で、どいうことことなのか説明しなさい」
梓は机に刃物を置き、座りながら言った。
「これにはいろいろあって…」
晃はこれまでのことを話し始めた。
◆◆◆◆◆◆◆
「…ということがあって、今にあたる」
晃はこれまでのことを話し終えた。
「ふーん、それは大変だったわね」
ちらりと梓はエマとディアロを見る。
「転移装置に異界の少女か~どこのファンタジー小説内容か~って言いたいところね」
「はぁ~?」
エマは首傾げた。
「でも良かったわね。エマちゃんだっけ、帰ることができて」
「はい、やっと私の世界に帰れます」
「嘘ね~。あなた世界に帰るというのに喜びというより…覚悟というべきかしらね」
梓の言葉でエマの喜びの顔は、驚きに変わった。
「あーそれは気づいてたよ。なんかあったの?」
「確かに悲しい顔してたしな」
紘斗と晃はエマのことを気付いていた。
「えっと…」
「これも何かの縁出し、力になるわよ」
梓は不安げなエマを勇気づける。
エマはディアロを机に置くと話し始めた。
「私の世界では、5000年間に及ぶ戦争題して 第二次ナルタ大戦 またの名を 夢の滅び が起きました。その結果、国は数多あったのが5カ国だけ残りました。その中でも4カ国を支配していたのが、ダルキス国なのです。理由は5000年間の戦争で勝利した国だからです。ダルキス国は自分の国のみならず他国さえも酷い扱い方をしたんですっ!」
エマは暗く苦しんだ面持ちで拳を握りしめた。
三人と装置はエマの様子に驚いた。
特に晃と紘斗にディアロは今までエマが取り乱したことがなく驚くのだった。
「エマちゃん、酷い扱いって何があったの?」
紘斗はエマに問う。
「それはっ!…酷いものです。奴隷制度を作り上げた結果、動物だけでなく人身売買が起きました…」
エマは顔を歪め訴える。
「他にも重圧な法律、多額の税金制度など私たちを苦しめ、ダルキスの国王や上級の貴族、大臣などはのうのうと生きてます!…それはとても許せない。だから私はそのやり方に反発しようと人を集めているんです」
エマは途中で顔を伏せたが、最後に顔を上げ決意の眼差しで言った。
「ひでぇやり方だな。俺だったらその国王ぶん殴るぞ!」
「晃にさんせー。俺もその国王倒しに行くよ」
「良く言ったわ!だけどこのままじゃあダメね。まずは戦力集めないとね~」
梓は闘志に燃えた二人を抑えつつ考える。
「なっなにを考えているんですか!あなたたちには関係のない…!」
「言ったでしょう。力になるわよって、それにそんな話し聞いたらいたってられないもの」
梓は焦るエマに笑顔で答える。
「俺たちの力でどうなるか、分からないができるだけやる」
「そうそう、力を合わせればなんとでもなるしね~」
晃と紘斗はエマに言うのだ。
『ソウデゴザイマスヨ、エマ様。人トイウノハ力ヲ合ワセレバ、強気者ガ阻込モウトモ乗リ越エラレマス。ソレニ私ノ博士モ ナルタ ノ世界ノ住人、博士モコノ惨事ヲ、芳シク思ッテオリマセン』
「ええーディアロの博士ってナルタの世界の人なんだ」
紘斗はディアロの言葉に即座に驚く。
「そうなのディアロ?」
『ハイ、私ハ博士ガコノ状況下ニ対シ解決デキル方ヲ、探スタメ私ガ作クラレマシタ。博士ハ今、動ケナイ状態ノタメコウスルシカナカッタソウデス』
ディアロは淡々と答える。
「ということは博士自身も助けを求めるためってことか」
「なんかよく分からないけど博士も助けて欲しいってことね」
晃と梓は口々に言う。
『言ッテシマエバ、ソウナリマスネ』
ディアロは白状であった。
「皆様、本当にありがとうございます。これは一生忘れなきことになりましょう」
エマは深々と頭を下げ三人と装置に礼の言葉を口にする。
「なに堅っくるしいこと言ってんのよ。女の敵は私たちの敵よ」
「そうだよ~俺は女の子を泣かす奴は許さないし」
「(相変わらずだな…)ま、そいうことだ。あまり一人で抱え込むな人を頼れ」
『エマ様ハマダオ若イデス。ソウ早ク死ニ行クヨウデハダメデス』
三人と装置は口々にエマを励ました。
「はい!」
エマは大きく返事をした。
それは清々しい元気な声だった。
今回は晃のお姉さんこと梓とエマの住む世界について簡素に話す内容です
たぶんナルタの世界へ行くのはもう少し後だと思われます
少し自信はないですがこれからもよろしくお願いします
ありがとうございました