緑の物体=転移装置=ディアロ
じりじりと陽が当たり緑の物体は苦しんでいた。
『早く見ツケテ欲シイデス…モウ、満タンデス…』
緑の物体は苦しむというより、壊れるということが心配だった。
転移した先は、灼熱の砂漠の中だった。
「くそっ、あっちーー!!」
「あつーい焼けて死ねなのあの物体は!!」
「なんで砂漠地帯?水ないの~?」
三人はギラギラ太陽光線によりやられていた。
「緑の物体はどこですか!!!?」
とエマの言葉は最もだった。
「あぁ…。これじゃ、熱中症になりそうだ」
「そうだね~。はやく探さないと、本当に…丸焼きになりそう…」
三人は手分けして探し始めた。
あれから約三時間がたとうとしていた。
「町とかオアシスとかないの?やすみたい…」
「う~、つかれた。かえりたい…」
「嘆いてないで探せ!!」
三人は疲労困憊だった。
探しても広い砂漠の砂だけだった。
「あ、ありました!!」
エマがやっとのことで見つけ出した。
エマの元に二人は急いで駆け寄る。
「さすがだね~」
「助かった。これで帰れる」
「これからどうしますか?」
「なんでもいい。エマちゃんに任せる…。熱いとこじゃなきゃ…」
「俺もエマに任せる…」
紘斗と晃は暑さにやられ、考えることさえ面倒くさくなっていた。
「わ、わかりました。うーん…どうしようもないので押します」
エマは考えてみたが結局緑の物体のボタンを押すしかなく、ポチッとボタンを押したのだった。
「あぁ、その方がいい」
『皆サン。暑イデスネ』
機械音声が流れ出す。
「確かに、熱いね~」
「でも、嫌な場所に飛ばなければいいですが…」
エマは次の飛ぶところに不安になる。
『ソウデスネ。私モ思イマス』
「前の方がまだましだ。どうにかなんねえ?」
晃は緑の物体に向かって愚痴る。
『分カリマシタ。前ニ戻リマス』
それを最後に物体から白い光があふれ、三人を包み込む。
前の世界へと戻ったのだった。
三人は先ほどと同じく道の真ん中に立っていた。
辺りは林や芝生があり、遠くには山に村と思われる民家がある前の世界に戻っていた。
「良かったですね。前の世界で」
「本当~風が心地よ~い」
「何時間も砂漠の世界だったら死んでた…」
三人はすぐ芝生にへたり込み、嘆くのだった。
涼しげに柔らかく吹く風は三人にとって、暑さを和らげていた。
「ところで、緑の物体はどこに…」
エマはあちらこちらと座ったまま頭だけ動かす。
「俺パース。動きたくない」
紘斗はごろごろと芝生に寝転がって、寝てしまった。
「動きたくないが…おーい緑の物体どこだー」
晃はどことなく呼びかけた。
「そんなんで、見つかるわけないでしょう」
『私ハココデスヨ~。相沢様退イテモラエマセンカ』
エマが呆れた瞬間、紘斗の方から機械音声が流れる。
「「??」」
「うーん…。なんかなった?」
先ほど寝ていた紘斗は、機械音声に起こされた。
「相沢さんどいて下さい」
「ええーやだ。俺はねてたい~」
紘斗はわがままを言って動こうとしない。
「わがまま言ってないで退けろ」
ドガッ
晃はわき腹を目掛け紘斗を思いっきり蹴る。
「うぐっ!!?酷いな~晃は」
蹴られた腹をさすりながら身を起こす。
「緑の物体はー…!!ありました」
エマは座っていた所から、身を伸ばし芝生の中から緑の物体を見つけ出した。
「あーあったか」
晃は身をエマに近寄り、エマの手の上にある物体をみた。
「俺のしたにあったんだ~」
服に付いた葉を払いながら言った。
『ハイ、アリマシタ。相沢様ガ退イテ頂キ、光ガ見エマシタ』
またもや機械音声が流れる。
「うん、そうだね~…」
「「「えっ!!!??」」」
三人は驚き緑の物体を直視した。
『アッ、自己紹介ガマダデシタネ。私、転移装置コト“ディアロ”ト申シマス。アッ、デモ世界ニ行クダケデスヨ。ソレニ一応女性デス』
突然緑の物体=転移装置=ディアロは自己紹介をいう。
三人は硬直しディアロの話しを聞く。
「えっとディアロだっけ。なんで喋れるの…」
晃はやっと疑問を口にした。
『エットデスネー。私ヲ作ッタ博士ハ、ナントナク、装置ニ心ガアレバ面白ソウダッカラ、ソウデス。全ク単純デスヨネ』
「すごいね~機械に感情を持たせるなんて!」
「あるいみ、すごいお金と時間を費やしたんですね。ディアロを作った博士は」
紘斗とエマは口々に感想を言う。
「ディアロ、どうすれば俺たちの世界に帰れる?」
『ソレデハ、先ズコノ転移装置ノ扱イ方ヲ、説明シマス』
「あぁ、そうしてくれ」
三人はディアロに耳をかたむける。
『マズ、右ワキニスイッチガアリマス』
「これですか?」
ディアロはボタンについて一通り説明する。
「へぇー。そうだったんた」
紘斗は関心する。
『液晶画面カラ映像ガデルノデ、ソコラヘンノ上ボタンヲ押シテミテ下サイ』
エマはポチッとボタンを押す。
すると液晶画面上から3Dのように映像が表れた。
「「「おぉぉおお!!」」」
三人は驚き、映像を見る。
3Dの映像は小さな妖精のような女の子が左側に、右側は青いラインで長方形に三つずつ区切られ、上から説明、世界選択、おまけと長方形の中心に書かれてあった。
『デワ次ニ右ノ説明デス。説明ハ装置ト世界ノ説明、後世界ノ情報トカデスネ』
映像の小さな妖精は棒を動かしながら言う。
言葉は映像は吹き出しで流れ、音声も流れる。
「ええー映像の妖精動いた!?まさかディアロちゃん!?」
紘斗は映像の妖精の動きに驚く。
「えっそうなのかディアロ!?」
晃は紘斗の言葉に反応し問う。
『ハイ。私デス。ディアロデス』
と映像の妖精は手を振る。
「へぇー。可愛いね~ディアロ」
『有リ難ウゴザイマス。エマ様モ可愛いデスヨ』
「フフッ。ありがとう」
エマとディアロは、直ぐ意気投合し仲良くなっていた。
『次ニ“世界選択”デス。世界ヲ選択デキ、選択シタ世界ニ移転デキマス。押シテミテ下ダサイ』
エマは言われるまま押してみる。
映像が変わり、全体にたくさんの青いラインの長方形が表れた。
上からナルタ、地球、メディオ、ツアニと並び、後は???となっていた。
『コチラノ四ッツハ今マデ移転シタ世界デス。?ハ増エルタメノ容量デス』
どこからか表れたディアロは棒で指しながら言った。
「俺たちの世界に戻れる!!エマお前も帰れるぞ!」
晃はやっと帰れることに喜ぶ。
「はい!元の世界に…」
エマは喜びの笑顔が暗くなった。
「どうしたエマ?」
「あっいえなんでもありません」
晃に心配され、慌てて笑顔を作った。
「ね~ディアロちゃん。さっきの映像におまけと合ったけどなに?」
紘斗はディアロに疑問を口にする。
『ハイ、“オマケ”ハ秘密デス。本当ニ必要ナ時ニオ使カイクダサイ。押シテモ無駄デスヨ。私ガ必要ダト判断シタ時ダケ押セマス』
「いじわるだね~あっ気になったんだけどエネルギーはどうしてるの?なくなったら俺たち帰れないよね?」
「…そうだった」
紘斗の疑問は確認しなければいけないことで、晃は喜びが暗転した気分になった。
「しっかりして下さい!ディアロ、エネルギーはどうしてるの?」
エマは晃を慰めつつ、ディアロに聞く。
『私ハ太陽光発電ナノデ、大丈夫デス。先ホド沢山陽ニ当タリマシタ。チナミニ装置全体ガソーラーパネルニナッテオリマス』
「へぇーすごいね~」
紘斗は関心する。
「おいディアロ…お前まさかエネルギーの補給に砂漠地帯に行ったんじゃねだろうな?」
「佐々木さん考えすぎです」
『佐々木様ハ勘ガイイデスネ。エネルギーノ補給ノタメデス。シカシ、陽ノ当タルトコロデ“ランダム”ニシタノデ、私モ砂漠ダトハ思イマセンデシタ。暑サニ私ガ壊レルカ心配デシタ』
ディアロは自白した。
「探さなかったら、俺たち帰れなかっただろ!!場所を考えろ」
「まあまあ、ディアロちゃんも悪気ないしさ~。そのランダムって、条件付きで世界が選べるってこと」
紘斗は晃の怒りを抑えながら言う。
『ハイ、“世界選択”ノ映像ノ上ニ“ランダム設定”ガアリマス。イロイロト条件ヲ付ケレマス』
映像の上に小さくランダム設定と周り同じく長方形で囲まれていた。
「まずは、俺たちの世界地球に帰ろうか」
「そうだな…えっと、エマ地球と選択してくれ」
「わかりました」
地球に選択すると、本当に良いですか?と映像の中央に表れた。
下にYESとNOがありYESを押す。
『分カリマシタ。設定“地球”ニ移転シマス』
そしてディアロは白い光を放ち三人を包み込む。
今回は緑の物体=転移装置=ディアロの登場です
私機械が独自の心が持つ世界が在るんと思っております!
そいう世界の未来があってもおかしくないと思います
こんな発想でディアロが生まれました