なんだかんだいって、晃の勝ち
もう一人の青年は猫の目により、離れることをできずにいた。
青年は置き去りにするか、持ち帰るかの選択に悩んでいた。
「大丈夫か?」
晃は心配そうに伺う。
エマはタオルを顔から取り、うつむく。
「すみません…」
涙は収まり、鼻や目には赤みがある。
「あの…えっと…」
「うん、どうかしたか?」
晃はエマが何かいいたそうな言葉に問う。
「あの…なぜ、もう一度聞いてこないのですか。私がここに入る理由を?」
エマは晃を見つめる。
「あ、いや…君が大丈夫なら聞こうと、思ってたけど。もう大丈夫なのか?」
晃は率直な考えを述べる。
ダンと机を叩きつけすごい形相で晃を見る。
「普通だったら、男性からさりげなく聞くのが道理です!女の子の気持ちぐらい少しは考えて下さい!例えば、君がいる理由を教えないと、食べちゅうぞ♪なぐらい考えて下さい!」
激怒したエマは晃に迫りながら言う。
(もう、君の妄想だろーー!!)
晃は心の中で訂正する。
エマの目は許すはずもなく、ふざけんな少しは考えろといいたいぐらい鋭く睨み、晃を襲う。
晃は汗が滲みでる。
「えっと…その…ご、ごめん」
晃は分けが分からず怖さのあまり謝る。
「ならいいですけど…私も言い過ぎました」
ぷいっと晃から顔をそらす。
(女の子の気持ちなんかわかんねえーよ…つか、こえー)
無言で晃は汗を拭う。
無言の理由はため息やふざけた台詞など言語道断、言ったら殺されかねないため晃は回避を選んだ。
「で、大丈夫なの?」
もう一度、聞いてみる。
「大丈夫ですけど…」
顔をそらしたまま答える。
「なら、よかった」
晃はエマの頭をポンと手のひらを置き、撫でながら言う。
「っ…!」
エマは顔を真っ赤にする。
何も言えず、晃の行為をおとなしく受ける。
(なんかこっちが子供みたいで恥ずかしい…)
晃はエマの頭から手をどく。
「うーん…あのさ」
考えたすえにエマを呼びかける。
「何ですか?」
ちょっと嫌そうに言う。
「君がここに来る前は何してたの?」
「なんで聞くんですか?」
ご機嫌斜めのエマは目を細める。
「それは…」
ぐぅ~
晃が言いかけた瞬間なった。
エマは顔を真っ赤にしてうつむく。
「何か食べる?」
「いえ…大丈夫です」
エマは顔を上げ、意地を張る。
「へってるんだろ…?」
「へってないです!」
ぐぅ~
また、お腹の音がなりエマはかあ~と赤くなる。
「やっぱ、はらへってんじゃん…」
「うっ…」
エマは言い返せず黙る。
「上の人の言うことは聞く、遠慮しない!わかった?」
「はい…」
エマは恥ずかしいあまりにうつむく。
「まったく」
晃は立ち上がり、冷蔵庫を開く。
(なんもねぇー)
冷蔵庫の中身はほぼすっからかんだった。
「ケーキの余りしかないけど…それでも食べる?」
中身を見ながら言う。
「なんでもいいです」
バタン
冷蔵庫からケーキを取り出し閉める。
「何か飲む?」
ひょこっと、顔を部屋に出す。
「な…」
「なんでもいいじゃあ、だめだぞ。何が飲みたい?」
晃はエマが言う前に警告する。
「うっ…ココアがいいです」
エマは晃の警告に不満げになって言う。
「それで、よし。ちょっと待ってて」
にっこりと笑い、台所に戻る。
晃は食器を取り出した時、ガチャッと玄関のドアが開く。
結果的に晃が勝つということが書きたかったわけではないです
偶発的になってしまいました
ていうか、勝ってんの?というぐらい怪しいです…
なんか、すみません…
やっとのことで、次からもう一人の青年が登場です