靴、年、涙
もう一人の青年は途中でにゃーにゃーと音で道の端を見ると猫を発見する。
箱に入っており、毛布にくるまっていた。
猫を貰ってくださいと紙に書いてある。
捨て猫を見る。
かわいいさに負け、戯れていた。
「あの…怒らないで聞いてくれますか?」
エマは不安そうに晃を見つめる。
「あぁ、俺はちゃんと聞く人だから。君がここにいる理由があるんだろ?あと、靴脱いでもらえる?」
優しい口調で晃は言い返す。
「えっ…靴ですか?」
顔を傾げる。
「あ、うん…室内だから」
エマは晃の足を見る。
「ここは部屋の中では靴を脱ぐんですか?」
「そういうこと」
「わかりました。ここに従います」
靴を脱ぎ始める。
「そしたら、玄関に置くからついて来て」
晃は立ち上がり部屋を出る。
エマも立ち上がり晃についていく。
「ここに置いて」
晃はエマに促す。
「近いですね…」
靴を置くとエマははっきりと晃に言う。
「うっ…、仕方がないだろアパートなんだから」
「そうですか」
「そんなことより、部屋に戻るぞ」
エマにはっきり言われ、さっさと戻る。
部屋に戻ると二人は机を挟んで向かい合って座る。
「佐々木さんって何歳なんですか?」
「二十歳だけど…どうして?」
エマは疑いの目で見つめる。
「なんだその目は?」
晃は不機嫌に言う。
「佐々木さんが二十歳にはとても見えないのでつい」
「悪かったな童顔で!」
禁句に触れ怒鳴る。
「そっちは?」
「十八歳です」
にっこりと笑う。
「なんかこっちが負けた気分だ~」
ガンッ
晃は頭を机に打つ。
「そう言わずに、元気だしてください」
エマは晃の肩をポンと置く。
「う~うっ…うっ~」
晃は泣き声を出す。
「嘘泣きは止めてください!」
ダン
エマは机を叩く。
「ちっ…ばれたか」
顔だけ上げる。
「そこはノレよ…」
「ノリません。子供みたいですよ…」
エマは呆れる。
「子供で悪かったな~」
晃は意地を張る。
「はぁ~。いつまで気にしてるんですか」
ため息を出す。
「で、君がいる理由は?」
晃は体を起こし、本題に入る。
「私がいる理由は…分からないんです…」
「えっ…わからないの!」
目を丸くする。
「本当に…ひぐっ分からないんです…えぐっ…」
耐えていたものが外れ、大粒の涙を流し始める。
服で拭いてもまだ沢山の雫は流れる。
「えっ、ちょっ!?」
晃の頭は混乱の渦になっていた。
(どうすんだよ~俺、女の子に泣かれたの初めてだよ…)
どうしていいか分からず辺りを見回す。
晃は今一度エマを見る。
顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
「ちょっと待ってて」
晃は立ち上がり部屋を出て行く。
浴室に向かい、乾いたタオルを手に自分の部屋に向かう。
エマは泣き続ける。
「はい、これ使って」
晃は部屋に入るなり、タオルを差し出す。
「えぐっあ゛りがどう゛…うぐっございまずい゛ぐ…」
エマはタオルを受け取りながら言う。
言葉は泣き声でぐちゃぐちゃだった。
「あ、うん…」
晃はそれしか言えなかった。
エマは顔をタオルで覆う。
ゴシゴシ ズビー
涙を拭き、鼻水をかむ。
晃はエマが泣き止むまで黙っていた。
いやーー…
なんか、ファンタジーの内容なのですが
どこに向かってるか分からなくなってます
いまだにもう一人出さないし…
たぶんあと二話後には出します
可哀想になってきた
こんな駄文を見て下さってることは何よりも喜ばしいです