猫も推参
晃たちが部屋を出てあれから数分たった。
エマとディアロはおしゃべりを楽しんでいた。
「ね~ディアロ、隣から全然聞こえないね~」
エマは隣から全く物音もしないので少し不安になる。
『大丈夫デス。タブン…梓様ガ変ナコトシナケレバ』
ディアロはあまり自信なさそうに言う。
そのころ三人はというと。
三人は静かにバチバチと睨みぶつかっていた。
数分たち晃から沈黙を破る。
「さて、こんなことしてないで二人のいる部屋に戻ろう」
「そうだね~」
「待ちなさい」
戻ろうとする二人を梓は止める。
「姉さん、今度はどうしたの?」
「ええー、流石にこれ以上女の子を待たせられないですよ~」
二人は呆れた。
「確かにそうね…。だけど紘斗に重要なことよ」
「おい…紘斗何やったんだ?」
「ええー俺何もしてないですよ~」
紘斗は少しだけ汗が滲む。
梓はキラリと目が光った。
「隠しても無駄よ。紘斗の服の中にいるそれはなにかしら?」
「…はあ~流石ですね。子猫ですよ」
紘斗は服の中から白をベースに黒の模様が至る所にある子猫を出した。
「あら、かわいいじゃない!」
梓は紘斗から受け取ると子猫とじゃれていた。
「どこから持ってきたんだ?」
それを横目に晃は紘斗に問う。
「えっとね~。道端に捨てられててね~。可哀想だから飼うことにしたんだ」
「うん?おい紘斗、お前まさか転移した時も一緒だったのか!?」
「うん…俺もさ~可哀想だと思ったよ。こんな小さな生き物を砂漠地帯とかいってさ…」
紘斗はしょんぼりと話した。
「俺が気づかぬまに、被害者がもう一匹いたのか。お前も大変だったな」
晃は子猫に近づいていて子猫の頭を撫でる。
「にゃ~」
子猫はくすぐったそうに鳴く。
「っ…!?」
晃は子猫を撫でた瞬間、近くでは感じなかったが凄まじい力を感じ取りびくついた。
「うふふ…流石我が弟ね。触るだけで気付くなんて、はい」
梓はご満悦そうに晃に子猫を渡す。
「…おい紘斗、お前は感じなかったのか?」
晃は子猫を撫でながら聞く。
「えっなにが~?あっでも、フェルアと初めて戯れた時、何か感じ取ったような気がしたけどよく分からない」
紘斗は子猫と初めて会った時を思い出しながら言う。
「フェルア?」
「この子の名前、フェルア~おいで」
晃は子猫を紘斗に渡す。
「まっ仕方ないわよ。こんな微量の力がもれてるだけで感じ取れるのは、そうとういないわ」
梓は子猫を見る。
「あっそうだわ!私の代わりにフェルアを一緒にナルタの世界へ連れて行きなさい」
「あっ梓さん正気ですか!?まだ小さい子を戦場の中に放り込ませるんですか!?」
梓の言葉に紘斗は驚いた。
「何言ってるの、今は力が弱くなっているとはいえフェルアは私達よりも遥かに超える力があるわ!」
「そんなこと言われても…!」
「いい紘斗!私達は戦いに行くのよ!」
狼狽える紘斗にびしっと梓は言う。
「晃、あなたはどう思うのよ?」
「確かにフェルアは今後の戦いに大きく左右される…」
晃は真剣な顔で答える。
「…あっあれ?なんで勝手に口が!?」
自分の意志に関係なく吐いた言葉に戸惑う。
「晃~…酷いよ~そんなこと言わなくても」
「流石、巫女の血が流れてるだけはあるわね」
今にも泣きそうな紘斗と違い、梓はご機嫌だった。
「あ~ごめん。だだけどさフェルアと離れるのは嫌だろう。フェルアもやっと見つかった飼い主と別れたくないだろう」
慌てて晃は紘斗を慰める。
「そうなのかフェルア~?」
晃の言葉に紘斗はフェルアに問います。
「にゃ~(おい、主人しっかりしろよな~俺は主人について行くつもりだぞ)」
ずっと話しを聞いていたフェルアは自分に力があるのか分からないが主人について行くつもりだった。
言葉が通じないので目で訴える。
紘斗は何か伝わったのか目をうるうるさせ、勢いよくフェルアを抱きついた。
「…フェルアお前をもう一人にしないから安心してよーー!!」
「に゛‥ぁ゛…(主人…く、くる…しい…)」
「おい、フェルアが可哀想だろ!!」
苦しくて今にも離れたく手をかいていたフェルアを救ったのは晃だった。
「だめじゃない!そんなんじゃ、フェルアに嫌われるわよ!」
梓は紘斗に一喝する。
「嫌わないでーフェルア!」
紘斗はフェルアに対し嫌わないように懇願した。
「…にゃあ(主人それくらいで嫌いにならないって)」
フェルアは主人の姿を見て呆れた。
「「うん?」」
晃と梓はフェルアの心の声が聞こえ辺りを見渡す。
「なんか言ったかしら晃?」
「姉さんこそなんか言った?」
「うーんここから聞こえたんだけれど?」
梓は晃の方に近づく。
「にゃあっ!?(聞こえるのか!?)」
「「「!!!??」」」
三人はフェルアの心の声に驚いた。
「さっきから声がしたのはあなただったのねフェルア」
「喋れる動物なんてそうとういねーぞ…おい紘斗、俺たちと似たような系統なのに、気づかなかったのか?」
いちよう紘斗は晃たちと似たような系統に属する家系のため、動物の心などは読めたりできる。
そもそも動物が喋れるのはごく稀であり、普通なら動物が出すイメージをとらえて読み取る。
「うん…聞こえる。フェルア~なんで黙ってたの?」
「にゃ~(喋れる機会がなかったし、ただにゃーにゃーって鳴いてただけだったからな)」
「フェルアただにゃーしか言ってたのか…」
「にゃー(主人と初めて会ってから、ずっとにゃーしか言ってない気がする)」
「それは気づかないわね…」
「にゃっ!(よっと!)」
フェルアは晃から離脱し主人の前に座る。
「にゃ~(主人俺を旅に連れってくれ)」
「えっ…フェルア」
紘斗はフェルアの熱い眼差しに心を撃たれた。
「わかった。覚悟して臨むように!」
「にゃっ!!にゃー!!(了解!!主人何処までも付いて行くぜ!!)」
「っー!!フェルア嬉しいよ~!」
紘斗は思わずフェルアを抱きつく。
しかし今度は優しく抱え込んだ。
(今度は痛くない)
フェルアは主人の喜びをよそに安堵した。
「ほらっそんな事してないで戻るわよ」
「姉さんそのままにしておいたら…っ!!」
微笑ましい光景に梓を止めたが。
「なに言ってるの」
梓はいきなり刃物(包丁)晃の首に近付ける。
「姉さん…怖いから下ろして…ていうか、なんで怒ってるの…?」
晃は姉の形相と刃物にびびる。
「なんか、あいうの見ると…あれを思い出すのよね」
「っ!!(こっこれは、彼氏と何かあったな…)」
前にもこのようなことがあり、その原因はほとんど長年付き合っている彼氏との喧嘩である。
そのたびに晃は被害にあい頭を悩ませた。
当然、紘斗も被害者であった。
「…紘斗~いい加減戻るわよ」
梓は晃から離れると、紘斗の首もとに刃物を近付ける。
「…は…い」
紘斗はびびるがフェルアは刃物に驚き、晃の方へ飛び込んだ。
「にゃ…(あっ晃…)」
「ごめん…姉さんあいう人だから…」
必死にしがみつくフェルアを撫でながら言う。
「さ、行くわよ」
梓は刃物を紘斗から離し部屋を出て行った。
「フェルア~!!」
「にゃー!!(主人ー!!)」
やはり主人がいいのか晃から離れ紘斗に飛びつき抱き合っていた。
紘斗はふと顔を上げ晃に向かって言う。
「良いこと思いついた!」
「何だよ?」
「にゃ~?(主人?)」
「フェルアを二人には内緒で持って行こうよ晃!」
楽しそうに喋る紘斗の襟を背後から梓が引っ張る。
「うわっ!」
「なにやってんのよ!でも、その案乗ったわ」
梓は先ほどの形相は消え笑っていた。
刃物は台所に戻したのか握られていなかった。
「楽しみだね~、フェルア。二人が驚く顔が」
「にゃ~(楽しみだな)」
「驚く顔が見れないけど、目に浮かぶわ」
「さっさと戻るぞ」
晃はフェルアが紘斗の服の中に入るのを確認すると二人と一匹に言う。
「そうだね~。女の子をこんなに待たせちゃったし」
晃と紘斗はさっさと部屋を出る。
最後尾の梓は部屋を出ると、出た部屋の出口に向かって空気に手をかざす。
「汝よ。役めを終えよ」
リーンと鳴ったその瞬間、部屋全体が青く燃える。
しかし、青い炎はぱっと消えていた。
それは結界が消えたことを意味していた。
梓はそれを確認するとみんなが待っている部屋に向かった。
不思議な子猫、フェルアが登場です
前書きしか出ていなかったので可哀想なことしました
全くナルタの世界へ行かないですが、もうそろそろ行きたいと思っております
駄作を読んで下さりありがとうございます




