彼と私
「ねぇ?」
「なんだい?」
「あなたと会ってからもう何日になるの?」
「まだ7日だよ」
「そんなにたってしまったの…?」
「僕にとってはまだ7日だけだけどね。君に会えるのを僕はずっとまっていたからね」
「ねえ」
「なんだい?」
「私が今までしてきたことに何か意味があったの?」
「意味なんてあってもなくてもそれこそ無意味だよ?」
「あなたの話は私にはよく分からないわ」
「あえて言うならば君は僕と会うためにずっと生きてきたんだよ」
「ねぇ」
「なんだい?」
「もうお別れなの?」
「そうだね」
「少しは寂しいと思ってくれる?」
「そうだね。とても寂しいよ」
「ねえ」
「なんだい?」
「私はあなたの名前を知らないわ」
「僕も君の名前を知らないよ」
「そうだったわね」
「そうだよ」
「ねえ」
「なんだい?」
「ありがとう」
最後に少女が伝えた言葉に死神は答えず鎌をふる。
少女はそれを満足そうに微笑みながら受け止めた。






