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今回もグダグダ感満載でお届けします……

店を開ける前に、周辺を掃除する。


森に近いものがあるから、掃いても掃いても終わらない気がするけど。


それから花梨の手入れをしたり、簡単な朝御飯を作ってると父が起きてきて一緒に食べる。


「今日は出掛けるので店は開けない」



わたしのやるきをかえせ!



留守番することになった私は暇。


店の方は怖いから一人の時は近寄りたくない。


いつも勝手に現れるお客さん達は、店が開いてないと来られないらしい。

移動できなくて初めて、今日は休業なんだなぁと分かるんだってさ。

それでいいのか客商売。



それにしても暇だ暇だ。


天気がいいから、ちょっと散歩でもするかな。




うちの店舗兼住居は、赤煉瓦でできたコンビニみたいな平屋になっている。

町外れの林というか森みたいなところの目立たない一本道をしばらく進んで、段々怖くなってきた頃いきなり怪しい庭付き一戸建てが現れる。


表札も看板もないけど、固定客がいるらしくて売り上げは上々。


変な客ばっかりだけど。




散歩がてら掃除の続きをしてると、人の話し声がしてきてドキドキする。


父以外で話したのって、食堂の店員とうちに来る客だけなんだけど!



「やめましょうよ~怒られますよ~」


「うるさい、ついて来なきゃいいだろ」


「それも怒られます~」



情けなそうな、若い男の人と、もっと若い、声変わりしてない男の子の声。

なんなんだ。

トラブルは嫌だよ。


同じような会話を繰り返しながらどんどん近づいて来て、その二人は現れた。



明るい金茶色の短い髪で、多分灰色っぽい目をつり上げて、いかにもな悪ガキ面の男の子。十歳くらいで、ちょっと上向きの鼻が可愛いと言えなくもない。


その子の服を後ろから引っ張っているのは、黒目黒髪で二十歳くらいの気の弱そうなお兄さん。



二人はほぼ同時に私が見ていることに気がついて、固まった。



天使が通りすぎた。



「えぇと、いいお天気ですね」


いかん、棒読みになった。


「えっと、あれ?どうして女の子が~」


お兄さんは語尾を伸ばす癖があるらしい。


「今日は臨時休業です」


よく考えなくても、この道を来た人はあの店しか行くところがないんだから、お客さんだったわ。



「言われなくても知っている。だから来た……んが」


教えてあげると、悪ガキは顎をあげて偉そうに返事をしてきて、でも途中で口を塞がれた。

私がお兄さんを見るとキョドってるけどその手を外す様子はなし。


「わかってて来たってことは、空き巣する気なん?泥棒?!でも残念ね、勝手に入ると父さん特製不法侵入者撃退magicが炸裂するからねっ」


危ない危ない、正面から泥棒に会うなんて。焦ってお祖母ちゃんからうつった訛りがでちゃったよ。


ついてない日みたいだ。


急いで家に入るために一生懸命走った。後ろから何か聞こえるけど無視。





捨てぜりふを残して避難する予定だったのに、持っていた箒のせいで取っ捕まったわ。


お兄さんは見た目と違って運動が得意らしい。

あっという間に追い付かれて、服を掴まれた。


「げほっ、はっ、うぅ~首絞まったやん」


「うわぁ、ごめんね~苦しかった?意地悪するつもりじゃなかったんだよ~誤解だよ~、だからお願い話を聞いてね~」


むせて睨んでやったら、背中をさすったり頭を撫でたりアワアワしだした。

鬱陶しいわ!


「なんなの、あんた達」


やっと息が落ち着いたから一歩退いて、二人の話を聞いてあげることにした。


「生意気な女だな!ガキの癖に」


「ガキにガキって言われたくないんですけど!私16だし。絶対あんたの方が年下でしょう」


「「16?!」」


興奮していた悪ガキと、相変わらずアワアワしていたお兄さんが二人して固まったので、今度こそその場に放置して家に入った。


どうせ150センチ無いわ!

撃退されちゃえ!




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