最終回
言ってしまった・・・。
私は、深く深く後悔した。
年でこんなことを口にしたのかは分からなかったが
「お兄さんに挨拶に行く」
って言った憲輔の顔があまりにも真剣で、本当に私をお嫁にもらっていきそうな勢いだったから、ちょっと期待してしまったのかもしれない。
でも憲輔は、すぐに答えを返してはくれなかった。
そのことに、私は傷ついた。
「こんなにも好きなんだ。」
改めて、実感した。
私は最初、憲輔を好きだと思いたくなかった。
そう思うことが怖かった。
私だけ、突っ走ってる気がして。
そう思うと、涙がこぼれた。
私だけが・・・。
恥ずかしい。
もう、ここに居たくない。
私の足は、階段へと走り始めていた。
「待って。ちゃんと、俺の気持ち聞いて。」
憲輔が私の腕を掴んで、言った言葉。
彼の一言、一言にいちいち反応してしまう自分がいる。
この言葉にも、期待してしまっている自分がいる。
思わず、呼び止めてしまった。
しかも、「俺」だなんて。
「俺」なんて、僕には大人すぎる気がして、同級生が「僕」と言わなくなっても
僕で、通していたのに。
新しい「恋」という感情を持った今、僕は大人になれた気がした。
そして、この思いを彼女に伝えるんだ。
「好きだ。」
たった一言。どれだけ、伝えたかったか。
そして、彼女からどれだけ言われたいと思ったか。
僕は、静かに彼女の返事を待つ。
「私も。・・・好き。」
聞き間違いかと、思った。
ずっと下を向いていた僕だが、ゆっくりと彼女の顔を見る。
嘘じゃない事を信じて。
彼女は、恥ずかしそうにうつむいていた。
そんな彼女も、顔を上げ二人で笑いあった。
「幸せ」を知った。
思っていた相手も、思っていてくれたと言う幸せを。
「俺」は、彼女にたくさんの幸せをあげたい。
愛す幸せも、愛される幸せも。
一人では、感じる事ができないたくさんのことを。
彼女を、一生愛していきたい。
彼女に、愛されていると知った今、
俺はこの世の誰よりも「幸せ」になった・・・。
長い長い時間をかけた連載が終わりました。
なかなか連絡を取ることが難しく、なかなか先に進まなかったのですが、やっとの事で終わりました。
感想、評価、または私たちの正体など、お待ちしています。