第六話
今日は、妹と雅美と一緒に有奈の誕生日プレゼントを買いに来ている。
「お兄ちゃん、その彼女さんどんな人?」
「ちょっ、紗希。有奈は、まだ僕の彼女じゃない!!!」
「まだ?ってことは、、お兄ちゃんは彼女になってほしいって事じゃん。」
なかなか鋭い妹。
「本当にお前と血が繋がっているのか?」
これは、雅美。
妹の紗希は年齢のわりにかなりしっかりしている。
自己判断がすぱっとできるタイプだ。
きびきびしてて、リーダー気質がある。
それに比べて、僕は・・・。
雅美にそう言われるのも無理はないと思う。
結構、顔は似てると思うんだけどなぁ・・・。
「それでお兄ちゃん、その『有奈』さん?ってどんな人??」
「有奈は・・・小さくて、可愛くて思わず守ってあげたくなる、そんな子だよ」
「ベタ惚れだね・・・お兄ちゃん」
「・・・うん」
「そんなに好きなら何でさっさと告白しなかったの?チャンスはいくらでもあったでしょ?
一緒に帰ったりもしてたみたいだし・・・」
「け、決心がつかなかったんだよっ!!」
「青春、だな」
雅美がニヤニヤしながら言ってきた。
そんなときだった。
「あれ?憲輔?」
有奈の可愛らしい俺を呼ぶ声が聞こえたのは。
どきんっと心臓が跳ね上がる。
視界の端に見えるのは、相変わらずニヤニヤした雅美と観察するようにじっと有奈を見詰める紗希がいた。
何とか硬直した身体を動かして、有奈に向き合うと有奈はにっこりと笑っていた。
そして、その隣には同性の僕から見てもカッコイイ男の人が立っていた。
さっきまでのドキドキが馬鹿みたいに思えてきた。
かなり久々の投稿です。
これからはもっと頻繁に投稿していきたいと思います。