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しいな ここみ様主催企画参加作品

お互いさま


朝だ、布団に横たえていた身体を起こす。


身体を起こして直ぐに両手で、身体に集り這いずり回っている沢山の蛆虫を掬い取り食った。


グチャグチャプチプチグチャグチャ


私はボロアパートの2階の1室で孤独死した爺。


死んでから暫くしてゾンビになった。


まぁゾンビになっているのは私だけで無く、あのナントカって言う細菌兵器をC国が流出させてからは、死んだ人間は皆ゾンビになる。


映画の中のゾンビが襲うのは生きた人だけだったけど、細菌兵器でゾンビになった人は人だけで無く、動物や鳥に魚に虫など生きている物は植物以外何でも襲い食う。


そういう訳で、ゾンビvs人の戦いが行われているかっていうとそうでも無い。


人は頑丈な塀に囲まれている学校や工場などに立てこもっている。


そういう場所の防衛に自衛隊員や警察官と共にハンターが動員されているので、駆除されない熊や猪などの野生動物が街の中に出没するようになった。


それで此奴、熊や猪って雑食性だから死体も餌なんだよ。


だからゾンビに対抗している主力は此奴、熊や猪などの野生動物。


数日前の事だが、裏の駐車場で熊と数十体のゾンビの群れがバッテングしたんだ。


熊vs数十体のゾンビの戦いが始まった。


掴みかかるゾンビに対して熊は両腕を振り回す。


熊の腕が振り回される度に、ゾンビの頭や腕などのパーツが身体からぶち切られ吹っ飛ぶ。


その結果は共倒れだった。


倒れ伏した熊はそのあと現れた他のゾンビの群れに食われ、身体のパーツを失い倒れているゾンビたちは、同じように戦いのあと現れた親子連れらしい猪の群れに食われる。


そんな弱肉強食の世界に元来ヘタレな性格な私は出て行く事が出来ず。


此の部屋で身体に集る蛆虫を食っているって訳だ。


でも私自身も蛆虫に食われているのだから、お互いさまなのかもしれないな。





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― 新着の感想 ―
蛆虫を食いながら、蛆虫に食われている。 蛇が二匹、互いに尻尾から頭へと飲み込んでいるようですね。 やがてそこには何もいなくなりそう。
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