婚約者候補?
改変しました。
父が帰ってきた日、街で祭をすることになった。
戦争の勝利と、領主が無事に帰れたことを祝うついでに、俺が無事に3歳まで育ったので俺の披露も兼ねての祭らしい。魔法があるこの世界でも乳幼児なんかはポックリ逝ってしまうことも当たり前のようにあるようだ。
街の中央にある広場に台があり、そこで父と母と俺が立ち、パパが祭の開催を宣言していた。
商人達は屋台を出し、従軍した兵士達は久々の娯楽を満喫する。
さすが元王族なだけあって領民の心を掴む方法を知っているらしい。
その後は、護衛の兵士を連れて祭を見て回った。
流石に屋台のものを買って食べたりはできなかったが、良い経験が出来たと思う。
城についてからは、初めて家族全員揃って食事をすることになった。
「レオナルド、おまえに大事な話がある。おまえの婚約者候補の令嬢と会うことになった。おそらく二年後くらいに、帝都で顔合わせがあることだけ伝えておく」
マジか、びっくりだ。さすがにもう漏らしたりはしないけど結構おどろいた。
「相手は誰なんですか?」
「帝国西部の辺境伯の令嬢だ。北部で西の辺境伯と話す機会があり、その時にぜひうちの娘にという話になった」
なるほどね。シルヴァナリス王国とはもう争う必要がないから王国と帝国の関係改善のためにってことかな?
帝国と王国はこの間まで戦争をしていたから、まだ微妙な仲らしい。
そこで王国との国境地帯に領地がある西の辺境伯の娘とエルフの王族の血が流れている俺が結婚することで帝国と辺境伯が王国との関係改善に前向きなことが伝わり、緊張緩和に繋がるってことね。
「その顔を見るに、この婚約の意味までもう察しはついているようだな」
あれ、まずいかな?
普通の3歳児はこんなこと察せないよな?父には俺が3歳にしては賢いってバレてる?
まぁ、ある程度賢いって思われてる方が色々聞いたりしても怪しまれないと思うしたぶん大丈夫。
正直知識を蓄えるのなら早ければ早いほど良いと思う。何事もスタートダッシュが大事だ。せっかくお父さんが帰ってきたんだし、父を頼ることにしよう。
「お父さん、僕に魔法のこととか戦争のこととか色々教えてください!僕もっと強く賢い男になりたいです!」
「あぁ、俺もそのつもりだ。おまえにはエルフの王族の血とドラコニクス家の血が流れているんだ。次期セルリング辺境伯として半端なやつでは困るからな」
え、俺って皇帝の血が流れてるの?
初耳なんだけど?
なんでママは教えてくれなかったの?
◇◆◇ ◆◇◆
そうして次の日から勉強が始まった。
お父さんが基礎的な体作りを(まだ3歳だしほぼストレッチみたいなことしかしない)、家庭教師が勉強を教えてくれることになった。魔法の実技は5歳を過ぎてからじゃないとダメだから勉強だけで我慢しよう。
とりあえず今は魔法のことを教えてくれることに感謝しよう。
そしてなにより知りたかったのは歴史!
何を隠そう俺は前世では歴史のテストで100点をとるくらいには歴史が大好きなんだ!
これからの勉強が楽しみだ!
次回神聖ディノカント帝国の歴史解説の予定です。




