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帝国の派閥について知りたいです

無事謁見が終わっておじいちゃんの邸宅に戻ることになった。父さんとおじいちゃんは一体何が起こったのか分からないって感じで俺に色々聞きたそうな顔をしていたから、説明は帰ってからしますってことにして、行きと同じようにミレーヌと馬車に乗った。

「ミレーヌ、疑問に思ったんだけどさ。どうして次期宮廷筆頭魔導士の俺に準子爵位を皇帝はくれたの?ミレーヌは確か準男爵位だったよね?おかしくない?」

「それは、皇帝が君を重要視してるからさ。ただの辺境伯嫡男と準子爵だと、準子爵の方が位で言えば上だ。だから貴族たちは君を雑に扱ったりする事はできない。高位貴族の気まぐれなんかで殺されては困る存在なんだよ。要するに、君は皇帝のお気に入りだからお前ら手を出すんじゃないぞと、貴族たちに伝えるために準子爵を君に授けたのさ」

「なるほどね。ミレーヌ、これからどうなると思う?まぁだいたい想像できるけど」

「おそらく貴族達の妨害が始まるだろうな、君は帝国内の派閥について知ってるか?」

「いや、知らない。これからミレーヌに教わろうと思ってたんだ」

「そうかそうか、では授業料として私にキスをしろ」

「………」

「おい、どうした?知りたいんだろ?私は帝国随一の頭脳の持ち主だぞ?この私に教わることがどれだけ光栄なことか知らないのか?君の親ですら払うのを躊躇うような大金を払ってやっと私の授業を受けられるんだ。それをキスだけで良いって言ってるんだぞ?寛大な私に感謝してキスをしろ、早くしろ」

「もういいよ、別の人に聞くからさ、ミレーヌは帰っていいよ」

「待て待て待て待て、冗談だよ、お願いだ、勘弁してくれ」

「はぁー、ミレーヌは自分の異常性に気づいた方がいいよ、5歳児にキスしろなんてさ、いやむしろ普通か?愛情表現で5歳児はキスするか?する気がする……」

「だろ?やっぱりしてくれよ、いいだろ?」

「じゃあ成功報酬ってことで」

「……いいだろう、必ずしろよ」

「してやるからさ、早く教えてくれよ」

「絶対だぞ?」

「はいはい」

「……まぁ良いだろう、一度しか言わないからよく聞いとけよ?まず代表的なのは皇帝派だ。言わずとも分かるように今の皇帝に忠誠を誓っている貴族達だ。主に帝都周辺の領主などが皇帝派だ。次に帝国南部のスラエル半島を領地としているガリシア・ヴァルマーレ大公率いる大公派だ。ヴァルマーレ家は聖帝ディノカンタス2世に2人いた息子の次男が始祖で、帝国内では皇帝の次に権力を持っている。大昔から野心家な当主が多く、皇帝暗殺事件が起こった時は必ず裏にヴァルマーレ家がいると言われるほどだ。主に半島よりやや北側の領主達がこの派閥に属している。大公領は地中海交易で栄えていて、帝国第二の都市がある。最後に北部の辺境派だ。東部と西部の辺境伯は皇帝派寄りの中立を保っているのに対して、北部の辺境伯は独自の派閥を作り、辺境の領主たちを率いていて、辺境派と言われている。北部は寒冷地帯で土地もあまり豊かじゃない、帝都や大公領よりも栄えてなくて、税収を下げろだの、自治をくれだの不満を言う北部の領主たちを率いている。と、まぁこんな感じだ。何か質問はあるか?」

「謁見の時に俺のことを睨んでいた貴族達は?」

「君の父、東の辺境伯は皇帝派寄りの中立って言っただろ?睨んでいた貴族達は大公派か、辺境派の貴族さ、君のせいでただでさえ強力な皇帝派が、さらに強くなってしまったから君は彼らに睨まれていたのさ」

「なるほどね、そいつらは俺にちょっかいかけてきたらするのかな?」

「まぁ、そう思っといた方が良いだろう。彼らから見れば君はただの子供さ、舐められているよ。他に聞きたいことはないかい?」

「いや、ない。流石だね、分かりやすい説明だった。こう聞くと俺は帝国内の派閥とかには全然詳しくなかったみたいだ」

「そうかそうか、役に立てたのなら良かったよ。

それじゃあキスをしろ、約束だろ?」

「あのさ…一応聞くんだけどさ、俺のことホントに好きなの?」

「あぁ、そうだが、何か問題があるのか?」

「いやぁ、問題というか、ミレーヌは精神年齢で言ったら同い年くらいだから恋するのは別に変じゃないとか言ってたよな?」

「あぁ、そう言ったし今もそう思ってるぞ」

「でもさ、よくよく考えてみて欲しいんだけどそれってほんとに恋?俺的にはミレーヌがなんで俺のこと好きになったのかいまだに分からないんだけど…」

「そうだな、あの時は混乱してて私もよく分かっていなかったが、今なら分かるぞ。私は君が好きだ。魔法に人生を捧げてきた私の人生をめちゃくちゃにする君の人生を私がめちゃくちゃにしたいんだ。それに君について行くことは魔法に人生を捧げることと同じだ。そしてなにより、君を独占したいんだ。今まで生きてきて私より賢くてすごい人間を見たことがなかったんだ。だから君みたいな人が新鮮で、一生一緒にいたいと思ったんだ。君を他の人に渡したくない。これは正常な思考だと思わないかい?君はこの世界に1人しかないんだ。それを自分だけのものにしたいだけなのにまるで私がおかしいみたいな言い方をして。私はまともだよ、そして君のことが好きなんだ」

「そですか…」

「なんだその変な反応は?私が君への愛を語ったってのに、反応が薄いぞ?」

「一応聞くけど俺はミレーヌさんとは結婚しないと思うよ」

「もちろんそれは知ってるさ、君は結婚したからって私のことを放り出す人間か?違うだろ?だから相思相愛じゃなくても良いんだよ、私はただ君のそばにいられるだけで満足さ」

「そっか、じゃあ報酬ね」

さすがにほっぺにだけどね

チュ


「え?無反応?」

「やっぱり結婚しないか?」

「しませーん」


これからどうなるか分からないけど、ミレーヌがいるならどうにかなるんじゃないか?孤独じゃないってのはすごく良いことだ思うし。そんなことを考えていると邸宅に着いた。

あー、父さんとおじいちゃんに色々伝えないとなぁ。とりあえず頑張りますかー。

帝国の北部は栄えていませんが、北の共和国は北海を使って魔族国家含め、様々な国と交易をしているため栄えており、共和国は肥沃な大地を、帝国は北海進出を目指して互いに争ってます。北の辺境派も北海に出れば富むことが出来るため、帝国政府を嫌っていますが、戦争では足元を見られてこき使われています。(北海行きたいよね?じゃあ文句言わずに戦おっか!的な感じでね)

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