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魔法革命の序章です

「謁見って言ってもそんなすぐに会えるものなんですか?」

これから謁見って、そんな簡単に皇帝に会えるものなのか?

「あぁ、そのことなら大丈夫だ。宮廷筆頭魔導士は謁見を申し込めば優先的に承諾してくれるんだ」

へー、宮廷筆頭魔導士の特権?的なやつか

「謁見ってことはちゃんとした服を着ないとですよね?」

「そうだが、先代辺境伯なら何着か持ってるんじゃないのか?それを着れば大丈夫さ」

じゃあ本当に今から謁見なのかよ。

「さすがに、皇帝陛下に君のことを全て話すつもりはないさ、ただ君が今までの魔法を根底から覆す存在かもしれないってことは話すがね」

まぁその程度なら大丈夫か。

「さぁ、準備しな、時間は有限なんだ。早く行こう」

まぁ考えたところで何か変わるわけでもないし、さっさと行くか。


◇◆◇ ◆◇◆


準備して、屋敷の玄関に行くとなぜかおじいちゃんもいた。

「あれ?おじいちゃん、なんでいるの?」

「なんでって、そりゃ皇帝陛下に会うんだろ?皇帝陛下とワシは従兄弟だからな。ワシもついていって、久々に会おうと思ってな。ついでじゃついで」

皇帝陛下についでに会おうとか言えるのおじいちゃんだけでしょ…

屋敷の外には、豪華な馬車があった。

「私の馬車で行こう」

ミレーヌさんの馬車か。宮廷筆頭魔導士ともなると大金持ちか。

皇城に着くまでの少しの間、ミレーヌさんと2人きりで話したいことがあったから、別の馬車を用意してもらって、父さんとおじいちゃんには別の馬車に乗ってもらった。

「ミレーヌさん、魔法のことについて少し話しましょう」

「あぁ、勿論だ。君の話をもっと聞きたいと思ってたんだ」

「じゃあまずはこの世界の魔法について話し合おう、俺がこの世界に転生して、魔法について学んだ時俺は思ったんだ。俺の知ってる魔法と少し違うなって」

「違うってのは?君の前世と今世の魔法が違うのかい?」

「俺の前世に魔法は存在しないよ、ただ物語(フィクション)の中には魔法はあったんだ」

「待て待て、魔法がないって?そんな世界で人は生きていけるのか?」

「あぁ、魔法がないってことは魔族や魔物、魔法に関するもの全てがない世界なんだ」

「それは…想像できないな」

「まぁ、だからこそ転生者は四属性魔法使いだったんだろ、魔法がないから物語(フィクション)の中で書かれる魔法を想像したんだ、そしてその想像がこの世界で実現できた。それだけの話だ」

「なるほど、でもこの世界ではその想像がみんなできないから四属性魔法使いは人間から生まれてないんだろ?」

「あぁ、だから前世の世界の物語(フィクション)にあった魔法を再現しようと思うんだ、ミレーヌ、魔法を発動する時に詠唱をしたりするかい?」

「詠唱?なんだそれは」

「詠唱ってのは例えば、ファイアーボールって言ったら手から火の玉が飛ぶみたいな感じだ」

「それが一体何になるんだ?そんなこと私もできるぞ」

「俺が言いたいのは別に転生者じゃなくても全属性の魔法を使えるようになるってことだ。この世界でほとんどの人が一属性魔法使いなのは自分の限界がそこだと思い込んでいるからだ。貴族とか皇族には二属性魔法使いが多いだろ?それは自分には高貴な血が流れてるから三属性は無理でも二属性ならできると思っているからだ。君のような歴史に名を残す大魔法使いって言われるような人はちょっと頭がアレだから自分なら三属性魔法使いになれると思っているんだ。でも四属性魔法使いには流石になれないと思っている。それはマシアのように神の使徒でなければ人間は四属性魔法使いになれないと思うからだ。おそらく魔法の才能が遺伝すると思われていたのは貴族とかのせいだろう。二属性魔法使いの子供が二属性魔法使いだったから遺伝がどうたらの話になったんだろう。」

「とんでもないな…今までになかった考え方だ。その考えに至った人間はおそらく歴史上君が初だよ」

「あぁ、俺もそう思う。マシアが生きていた頃はマシアが歴史からも分かる通り異常な人物だったから周りの人々も自分には無理だと思ったんだろう。そもそも魔法使いなんてものが生まれたのはマシアのおかげだしな」

「おい、肝心の詠唱の話がないぞ」

「あぁ、ごめん、俺は詠唱が想像力に頼っていた魔法の概念をある意味固定して、より使いやすいものにできると思うんだ」

「やっと話がわかってきたぞ」

「だろ?想像力というあやふやなものではなく、言葉が魔法を作る世界に変えるんだ、そうすれば俺の夢の近道になる」

「君の世界征服の夢かい?」

「あぁ、そうだ。ミレーヌ、従軍経験はあったりする?」

「あぁ、一度だけ北の共和国との戦争で戦ったことがある」

「魔法使いはどんな扱いだった?」

「基本的には歩兵や騎兵同士が戦う前に、弓兵と一緒に遠距離から攻撃するのが基本の運用だ大体の魔法使いはその時点で魔力切れを起こしてあとはただの歩兵だよ」

「この世界では、魔力量と使える魔法の属性の数が比例している。三属性魔法使いは三つの属性の魔法が使えて、魔力量も一属性魔法使いの何倍も量がある、で合っているよな?」

「あぁ、私もその認識だった」

「俺はそれも間違いだと思っている。勝手に自分で、この魔法なら魔力を多く消費するなとか、これなら少ないなとか、そうゆう風に考えてるから魔力の差が生まれるんだ、もしかしたら種族差はあるかもしれないが人間の持つ魔力量は同じだと俺は思ってる、俺の言ってることが分かるか?」

「あぁ、話を続けてくれ、君の話をもっと聞きたい」

「魔法を詠唱して使えるようにして、例えばの話だが初級魔法、中級魔法、上級魔法という風に分ければ、人によって得意、不得意はあるかもしれないがみんなが全属性の魔法が使えて、努力次第で発動できる魔法の数も、魔力消費量も減らすことが出来ると思うんだ。まず火を出してそれを操作してドラゴンの形にして敵を襲う、という風に想像するよりも、ファイヤードラゴン!って言えば自動で火のドラゴンが敵をに襲うと考えると、想像力を使わない、要は魔力の消費を低くしていつでも固定の魔法を放てるようになるんだ、魔法が発動してから操作する想像をするのではなく、詠唱なら魔法の発動だけで自動的に操作もできるんだ、もし仮に戦争になっても俺が率いる兵士全員が詠唱で魔法を発動するようになれば魔法に革命が起きる、他国が想像力で魔法を使ってる中、俺の軍隊は詠唱で魔法を使う。一体どれほどの差が生まれるのか考えるだけで鳥肌が立つね」

「君の話を聞けば聞くほど自信をなくすよ、私は魔法のことを全く理解できていなかったようだ」

「俺が異常なだけだよ、転生者にしか思いつかない話だ、そして何より君の協力がなければ出来ないとは言わないが魔法革命を起こすのは大変だと思うよ」

「そうか、これからよろしく頼むよ、旦那様」

「その呼び方やめてね?」

「ふふ、君に人生を捧げる決断は間違えてなかったと今確信したよ、君について行けば魔法革命を起こした者の1人にはなれるな」

「そうだな、これから頼むよミレーヌ」


「ところで、君は皇帝を殺すつもりなのかい?」

ミレーヌは、まるでなんてことない日常の会話のように聞いてきた。

「それは、分からない。俺はこの国の政治とか国内情勢については知らないんだ。魔法革命を起こして、鍛えた俺の軍隊ならば100倍の数の軍隊が来ようが、勝てると思っている。だけど俺は1人では無理だ。勝てるけどそれだと俺はただの大量虐殺者(テロリスト)だ、だから仲間を作らないといけない、力を持てばもしかしたら平和的に皇帝になれるかもしれないし、泥沼の内戦になるかもしれないし、意外とあっさり勝てるかもしれない。だから仲間を作るためにも国内情勢や、政治について俺に教えてくれ。頼む。」

俺は頭を下げた。もし断られたら、ひとりぼっちの厳しい戦いになると思う。別にそれでもいいけど、やはり皆に慕われるような人に俺はなりたい。

「もちろん、君についていくさ、運命共同体ってやつだよ、だから安心したまえ、仮に全世界が君の敵になっても私だけは君の味方さ、レオ君」

「ありがとう、ミレーヌ。一緒に頑張っていこう」

「ああ、もちろん、ところで、君の前世のこととかその一人称のこととかを知ってるのは私だけかい?」

「一人称?あ、たしかにみんなの前だと僕で、ミレーヌの前だと俺だな。そうだよ、ミレーヌと俺だけの秘密だ、この世界じゃここにいる2人しか知らないはずだよ」

「そうか」

顔が怖いっすよミレーヌさん、もっと可愛く笑ってください。でも、少し安心だ。仲間が1人。されど1人だ。俺は必ず成し遂げる。魔法革命を!



もしレオナルドが成そうとしてることが成功すれば、後世でレオナルドは近代魔術の祖と呼ばれるようになるでしょう。まさしくマシアが作った魔法の土台を完成させるのですから。

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