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循環する宇宙あるいは開かれた宇宙のモデル

作者: 樋口諭吉

 循環する宇宙あるいは開かれた宇宙のモデルを考えてみた。


 一般に認識されている現在の宇宙の一番外は極めて開かれた開放系で、「開放系の中において開放系は新たな開放系を生むか、あるいは閉鎖系に向かう」というのを再帰的に繰り返している。


 開放系の中では、系と要素群との相互作用によって確率分布が形成され、エントロピーの勾配によって確率が自己組織化臨界を超えると、散逸構造が生じる。


 これにより、散逸構造の内側の要素群と外の開放系とが分かたれる。


 ――この過程は、河川の流れが乱流を形成することや、化学反応が一定の条件下で新しい化合物を形成する過程に似ている。


 ともあれ、このようにして、開放系の中に新たな開放系が生まれる。


 時間の経過とともに、要素群のエントロピーの増加によって散逸構造が崩れると、開放系の中の開放系は閉鎖系へと向かい、平衡状態になって霧散する。


 閉鎖系が平衡状態になるとき、要素群が外の開放系の中に再び生じる、またこの際に外の開放系ではエントロピーの勾配が生じる。


 そのエントロピーの勾配によって、確率が自己組織化臨界を超えると散逸構造がまた新たに生まれる。


 前の宇宙の一番外は閉鎖系であり、その閉鎖系の霧散が起こった結果、すなわちエントロピーの勾配と熱平衡が生じた結果が、現在の一番外の開かれた開放系である。


 閉鎖系が霧散すると、宇宙背景輻射によってエントロピーの勾配が生まれ、これが確率が自己組織化臨界を超えるための駆動力となり、新たな散逸構造の発生に寄与する。


 この過程は循環的であり、宇宙の進化の中で繰り返されている。

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