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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第2章 王都への道
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第16話 集落選択

周囲の警戒は完璧で、順調に進めた。


想定よりも早く王都周辺の開けた大地に出た。


この調子なら、明るいうちに王都に入れるかもしれない。


しかし、俺はまだラゴイルの体のままだ。


このまま王都に入るのは気が引ける。



見渡すと、地図にあるとおり、王都の周辺には、ポツポツと小さな集落が見えた。


今夜は野営をせずに、集落で宿泊ができそうなところを見つけて、お邪魔するか。



俺たちが通過しようとしているのは、王都の真西にある門。


その手前にある集落は、他の集落に比べて大きい。


王都西門を午前中に通過するなら、今夜の宿泊先は、この大きな集落が魅力的だ。


しかし、王都西門との位置関係から、この集落での追手との遭遇率も高そうだ。


まぁ、追手が居るって決まっている訳じゃないけど・・・。



ラゴイルの体のままではリスクが排除し切れていないから、ついつい過敏になってしまう。


やはり、今夜こそ教えてもらうぞ。


王都到着前に教えて欲しいって伝えてあるんだから、さすがに教えてくれるだろう。


「敵が来たようじゃ!」とか、「夜襲よ!」とか言って、教えてもらっている最中に邪魔されるのは嫌だ。


落ち着いて夜寝れるのは、どの集落かな~。



「グラーシュ、王都周辺で、ラゴイルが行ったことの無さそうな集落はどれだと思う?」


「あの大きな集落は、多分“カンタ村”ですね。」


「知ってるの?」


「よくラゴイル様が話してました。カンタは王都からの帰りに良く立ち寄ったって。」


「・・・」


「大きな集落の連中は、物事がよく分かっている。接待が抜かりなくて、たまらない。王都に用事があるだけじゃ物足りない。カンタに通おうかなって。」


「・・・」


「いつだったか、私の小さい時・・・、秋の・・・今くらいの時期、王都から帰還したときにお土産をくれました。」


「・・・」


「カンタのお土産だって、拾ってきたクヌギのドングリを出して、「熊だから、食べるんだろ」って・・・」


・・・


もしかすると、この世界では、このレベルの事は日常茶飯事なのかもしれない。


ただ、俺の価値観では、全く理解できない。


それどころか、はらわたが煮えくり返って仕方ない。



振り返ると、後ろで控えるアルディも怒りで震えているように見えた。


グラーシュは大切な仲間だもんね。


それとも、アルディが俺の光の粒子を使って生まれているから、俺の怒りが影響しているのかな。


・・・


「悲しい話を語らせてしまって・・・ごめんなさい。」


「・・・いいえ。気にしないでください。昔話ですから。」


・・・


今夜絶対に、このラゴイルの体を捨てる。


俺が今までこの顔でグラーシュに接していた無神経さ。


グラーシュがそれを気にせず丁寧に接してくれていた事。


もう、このままではいられない。



「カンタには寄らない。ちょっと離れるけど、カンタの両隣も避けて・・・、あの集落はどうかな?」


俺の指さした先の集落を、グラーシュとアルディが見る。


「あの集落は大きくも無いし、住宅数も多くない。その割に周りの農地?が広くて、視界が開けているからいいんじゃないかな。」


「いいと思います。」


「御意。」

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