表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第2章 王都への道
92/475

第15話 慣れてきた武器の成形

やられた……


闇の粒子の集め方を聞きそびれた。


威厳、説教、ご褒美、自慢、ボケ、ツッコミ、エロ、恐怖、誘惑の10コンボ・・・。


俺は卒倒して、夢から退出。


完敗だ・・・。


ここまで教えて貰えないと、聞かない方が良いのかなって思い始めてくる。


心が折れそうだ・・・。


悪夢を見て脂汗と共に飛び起きることはあっても、ここまでの敗北感に襲われて迎える朝も無いだろう。



そんな俺を、朝御飯のいい匂いが、慰めてくれた。


今夜再挑戦しよう!


気持ちを切り替えて、今日も頑張るぞ!


・・・


スムーズに、出発の準備が整った。


野営の設置と撤収にも慣れてきた。


さて、成形しますか。


まずは、周囲の確認。


よし、大丈夫そうだ。


「武具と馬具の成形やるよー。」


毎度毎度、言う意味の無い口上を言うのも嫌だなぁ。


でも、カムフラージュには必要か。


いっそのこと、もっとカムフラージュっぽくしとくか。


俺はパチンと手を合わせてから、両手を空に伸ばす。


「いでよ、武具!馬具!我の力となれー!」


ってね。武具馬具って、外郎売じゃあるまいし・・・この恥ずかしさは、慣れなさそうだ。


俺の恥ずかしさとは無関係に辺りは真っ暗になる。


目の前に、3つの光の固まりが現れた。


次第に光が治まり、アルディ用の武具とネロア用の馬具が現れた。


「グラーシュさーん。悪いけどネロアの馬具の装着して~。」


・・・


グラーシュは目が点になって動かない。


「グラーシュっ!」


「は・・・、はいー!」


「ネロアに馬具の装着!はじめ!」


「はい!」


アルディがゆっくり2つの武具に近づく。


「アルディには引き続きサーベルを利用してもらうんだけど、それとは別にこの大薙刀をあげます。存分に振るってください。」


「御意。」


「この薙刀は非常に軽いから、普段から携行しとくといいかもね。」


「・・・」


「それと、特製マチェット使っているから分かると思うけど、この薙刀も重さで切るタイプの武器ではありません。予め扱いなれておくように。」


「分かりました。」


「それと、こっちのは矢筒ね。こっちも軽いから、携行しているといいかも。中に特製の矢も入ってるよ。無くなったら言ってね。」


「有難く頂戴いたします。」


・・・


・・・・・


周囲が明るくなってきた。


アルディとネロアに装備が完了した。


指示を出さずとも、アルディが馬具の調子を確認しつつ、大薙刀の素振り、弓矢の試射を始める。


「グラーシュ、馬具の装着、ありがとうね。」


「どういたしまして。」


「改めて聞くけど、なんか欲しいものある?」


「・・・」


「んー、欲しい物ができたら言ってね。できることと、できないことがあるから、ごめんだけど。出来るだけ用意するから。」


「はい・・・。」


なんだ?あんまり食いつき良くないな。


「どうしたの?」


「わからないんです。私には何が何だか・・・。」


あ、そうか、今までテキトーにはぐらかして説明していなかったわ。


俺も、おじいさんと先生の事を、とやかく言えないかも。


まだアルディは作業中だ。


この時間を使ってグラーシュに分かっている範囲で説明をした。


が、残念なことに、グラーシュは理解できなかった。


しかし、なにか欲しい物があったり、困ったことがあったら、俺に相談をすると解決するかもしれないって素直に思えたようだ。


それはそれで、話した甲斐があって良かった。


そうこうしているうちに、アルディのチェック作業が一通り終わった。


こういうことを指示無く黙々とこなすところとか、感心するわ。


まぁ、俺が“平和ボケのマヌケ”ってだけなのだろうけど・・・。


「大薙刀は、ほとんど重さを感じないほど軽くて、切れ味抜群の、至高の一振りです。」


「そう言ってもらえると嬉しいよ。矢の方がどうだった?」


「音も無く飛んでいきます。こうなると、私の作った弓の方が力不足です。どこかに、この矢に負けない弓が売っていればいいのですが。」


「そうか。これから向かう王都に行けば、あるかもね。そこで、他に欲しい装備も整えよう。」


そんな話をしているうちに、アルディも整ったようだ。


「それでは、王都に向けて出発―っ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ