第5話 新しい道具袋
「見とったよ。【白き理】☆4じゃ!」
「そうね、1つ増えて【黒き理】も☆3ね。」
よし、吸収からの組み換えと排出、習得!っと。
1つずつできるようになるのは楽しい。
「中空のナイフを作ってみたのは、良かったんですかね?」
「ん?良いよ。なんだ、お前さんは欲張りじゃな~。もう一つ☆欲しいのか。」
「え?」
「白き理☆4じゃ!」
「あ、ちょ。」
「ん?」
「ありがとうございまーす。」
「なんじゃ?」
「壊れること、有りますよね」
「無いんじゃないか。」
「え?」
「そんなことより、お前さん、カムフラージュのこと、忘れてないか?」
「あ・・・すいません。」
「武器のカムフラージュはな、使う人によって意味が違うんじゃよ。」
「・・・」
「例えば、アルディみたいな武器を使うことが上手な者にとっては、武器が大きいのに、やたら軽いと、いつも通りの動きができなくなるって感じじゃな。」
「逆に、俺やグラーシュのように武器に不慣れな者の方が上手く使える?」
「そういうことも有るかもしんれんな。だから、刃渡りだけ強化することにも意味があるんじゃ。」
「使い手の事を考えて、刃渡りだけにするか武器全体にするかをきちんと考えろってことですね。」
アルディには、当分俺のサーベルを使ってもらおう。
そうすると・・・俺の戦闘手段をどうするかって話になるなぁ。
まぁ、この死にぞこないの体では、サーベルを実戦で振るうことなんてできないから、別にいいんだけどさ。
俺は、自分で作った超軽量ダガーで自分の身だけを守るとしよう。
「もう一つ確認したいことがあるんですけど。」
「なんじゃ。」
「木を吸収して薪と枯れ葉を出しました。」
「そうね。」
「なんでも入って、何でも出せる。」
「・・・」
「これって、考え方を変えると、ドラ〇もんの4次元〇ケット・・・“道具袋”に使えるなぁって」
「そうね。」
「道具袋として利用してもいいですか?」
自分で予想ができて、事前に確認を取れることは、ちゃんと確認を取ってから行動をする・・・。
これも仕事をする上で重要で叩きこまれたことの1つだ。
まさか転生してまで使えるなんて思ってなかったけど。
「あなたって・・・律儀よね。」
「え?」
「いいわよ。」
「ありがとうございます。組み換えが出来るだけ、単なる道具袋よりも、かなり優秀ですけどね。」
「そうじゃな。」
「これで、道中の荷物ですぐに使わない様なものは全て収納できるから、機動性も上がって明日からの移動も容易になりそうです。」
「分かっていると思うけど・・・」
「生き物は入れない!ですよね?」
「そうよ!」
「分かってますってぇ。」
「儂はペット増えてもいいけど・・・」
「クソジジイは黙ってろ!」