第71話 スキルの認定
改訂2023/04/14
「強靭化してみましたよ。っていうのは語弊がありますね。刃の無い枝に刃を付けたから、強靭化というか刀剣化かもしれないですけど……」
「あぁ、見とったよ。☆3じゃ。おめでとう。もういいか?」
いつにも増して淡白だな。
一応さ……頭使って、取組んで、言われたことをやり切って報告してるんだからさ……
評価されて認められたときに、ちょっと自惚れる暇をくれても良いと思うんだけどな~。
それに……
「それだけじゃないんです。ちょっと聞きたいことがありまして。もうちょっとお付き合いください。」
「まだあるんか……なんじゃ?」
「もしかして、光の粒子で武器とか防具とか作れます?」
「ふっ、そんなことか……楽勝じゃ!」
「効果は付く?」
「効果?ようわからんが、それはまた別の話じゃ!」
「そうですね……まずは出来るかどうかですよね……で、粒子で武具や防具を成形できるって事ですね?」
「そうじゃ!コストは召喚術と同じじゃ。ただ、自分の粒子は持ち出さなくてもいいぞ。まぁ、持ち出してもいいけど。」
「それ!自分の粒子を持ち出す意味って何ですか?」
「むっ……お前さんたまに鋭いよな。」
「ははは、それほどでも……」
「いや、褒めてないんじゃが……まぁ、良い。自分の粒子を持ち出す意味ってのは、意思の問題じゃな。」
「意志の問題?」
「簡単に言えば……お前さんの指揮命令を作用させたいと思えば、自分の粒子を入れよ。その影響力を強めたいなら出来るだけ多く入れよ。」
「はぁ……」
ちょっと何言ってるか分からないな……
「今回は、まず成形することに集中せよ!」
「了解です。」
「では、儂はこの辺で……おやすみ~」
「はい。おや……すみなさい。」
俺が返事を言い切る前に両眼を閉じると、すぐに寝息が聞こえてきた。
揺るぎない昼寝の意思と超速入眠スキル……御見それしました。
「私への質問も、終わりでいいかしら?」
「いや、ちょっと……まだ先生には聞きたいことがあります。」
「まだあるの?」
「黒の粒子というか、闇の粒子は、集めれますか?」
「……」
先生は急に黙り込んでしまった。
俺の質問の仕方が良くなかったのかな?
白い粒子が“光の粒子”だから、黒い粒子は“闇の粒子”だろうな……
「闇の粒子も、光の粒子みたいに集めたいんですけど……できますか?」
「……」
「あれ?集めれない……ですか?」
「集めれるけど……」
「集めて……集めてどうするのよ!」
「えっ!?それは……」
光の巨人軍団の話をした時におじいさんに怒られたことが俺の脳裏を過った。
確かに……使い方も良くわかってないのに、使う目的さえ持たず、集めようとしてたかも。
最強のスキルらしいから、安直な姿勢は、先生も駄目って方針なのかな……
「あーっ!!」
俺が考えを改めていると、突然おじいさんが叫び声を上げた。