第65話 ログハウスに到着
改訂2023/04/14
瞬く間にログハウスに到着してしまった。
俺の頭の中は、おっぱい……じゃない、仲間への思いが駆け巡っているのに……
まったく、情緒もあったもんじゃない。
もう少しだけ、あの感触の余韻に浸っていたい……
違うか……
幸いにもヤマモリさんが、薪割中だった。
「ただいま戻りました~」
「おかえりなさい、ラゴ…イ…ル様……何ですかコレは」
「馬です。」
「これが馬ですか?」
「はい。龐徳の馬なのですが、馬屋をお借りしてもよろしいですか?」
「空きは有りますが……いや…これは…どうかな……」
ヤマモリさんは、眉間に皺を寄せながら首振り人形のように、頭を振っている。
「どうしました……?何か気になる事でも?」
「いえいえ……ひとまず……こちらです。」
ヤマモリさんの案内で馬屋に到着した。
促されるまま召喚馬を馬屋に入れようとして、決定的なことに気が付く。
デカすぎて、馬屋の入口から入れない。
頭を下げて小さくなってくれれば通れるかもしれないが、白馬は協力してくれない。
「駄目っぽいですね。ヤマモリさん、他に馬屋は……」
「ラゴイル様、残念ながら、この馬屋のみです。」
困ったな……
このデカい白馬、ふざけてフラフラと出歩いてしまいそうだから、何とか馬屋に閉じ込めておきたかったんだけどなぁ。
「ヤマモリさん、キレイに体を拭いたら、ログハウスに入れるのは有りですかね?」
「え?このデカい馬を?ログハウスにですか?」
「悪さをしないように、龐徳が四六時中監視しますから!」
「はぁ……分かりました。時間を見つけて馬屋の改修をしますので、それが済むまでですよ」
「いやー、助かります。それで大丈夫です!」
何せ、明日には出発だから、改修の御手間も掛けませんのでね。
「そしたら、龐徳……」
「御意」
返事をするや否や龐徳は召喚馬のお手入れに行った。
俺は、明日の出発の準備が気になり、馬屋の中に入ってみた。
既に馬屋の2頭には馬具が一式付けられているし、馬屋の入口近辺に持ち物も用意されている。
完璧な準備だ……
いつでも出れるやん。
あの子は、本当に優秀だな。
小さいころから、城内で使われて、苦労したんだろうなぁ……
物心つく前からの“現場たたき上げ”……
年季が違うわな。
そういえば……年齢を聞いてなかったなぁ。
何年であんなに大きなおっぱ……、じゃない!
あんなに気が利いて、いろいろできるようになったのだろう。
俺は会社で、10年以上も、いいように使われたけど、ここまで気が利くようになってないなぁ。
まだまだ下積みが足りなかったか……?
いや、ごめんだな。
現世のあの境遇から不本意ながら離脱したけど、離脱して、今の俺の心は楽だし……