第64話 ログハウスまでの帰路
改訂2023/04/14
「では、シュッパーツ!」
俺の掛け声で、龐徳が白馬の腹を蹴ると、駆け出した。
鬣を靡かせ疾走する。
風を切るという表現がよく分かる。
ただ、馬具が無いからお尻が痛い!!
俺の尻の肉が薄いのも悪いんだろう
こりゃあ、三角木馬が拷問として成り立つわけだわ。
訳の分からない発見で、悶絶を耐えようとしたが、俺の下らない忍耐の必要もなく、あっという間に小川に着いた。
小川に左手を突っ込んだ。
水の冷たさを感じたのは最初だけだった。
吸収に意識を向けると、水に触れている感触が無くなったからだ。
少しの間そのまま待機し、無事に流水も回収完了!!
「よーし、帰るぞー!ログハウスまで、全速!前進!」
「御意!」
再び龐徳に手を取られ、投げ上げられて乗馬し、疾走開始!
残りの“風”は、ログハウスまでの道中で、左手を翳して風を受ければOK!
なんだけど……
危険な風圧を感じる。
全速前進って言ったのは俺なんだけど……
このラゴイルの病み上がりの左腕、伸ばしたら風圧で折れるんじゃないか……
でも、流石に風圧で腕は折れないだろ!
「エイヤーッ!」
気合を入れて、左腕を伸ばしてみた。
すると、左腕全体が黒くなって吸収が始まった。
俺が意識したのは、左手の平だけの筈……
でも、実際に吸収しているのは、龐徳のシルエットからはみ出て風の当たる部分全部。
そう言えば、俺の想定外の部分の脅威は、先生の方で何とかしてくれるみたいなこと言ってたっけ。
これが、先生のフォローって事かな……
ともあれ、これで無事に“風”も回収完了だ!
厳密には風そのものではないけど、実質的には風の筈だから……大丈夫っしょ。
そういえば、時速60kmとか80kmで走る車から手を出すと、おっぱいと同じ感触を得られるって聞いたことがある。
馬の疾走速度がそのくらいだから、丁度いいはずだけど。
俺の召喚した馬は、それよりもはるかにスピードが出ていたと思う。
次に乗るときに、龐徳に速度調整をお願いして、“おっぱい感触”を試させてもらうかな~。
でも、風圧を受ける訳だから、感触が同じでも、掌で受ける体感温度は下がるよな。
結局は本物のおっぱいが良いのか……
自分で召喚しておいて、下らないことに使ったらおじいさんに怒られそうだし……やめとくか。
ってか……
おっぱいと言えば、転生直後のおっぱいの感触、柔らかかったな~。
あれ、絶対にブラ付けてなかったよな~。
こっちはそういう物が無いのかな……
もう一度ラッキーおっぱいを!って不純な願望じゃないけどさ~……
これからも一緒に旅を続けたいな~。