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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第1章 転生から旅たち
51/475

第51話 正体を明かされる

改訂2023/04/14

「私は……熊に襲われてできた子なんです……」


な……、なんだってーっ!


じゃなくて。


嘘でしょ?


熊が人を襲ったら、怪我をしたり、殺されたりでしょ?


百歩譲って、熊は雑食だから、ひょっとすると、襲われて食べられることはあるかもしれないけど……


それでも、熊は人を敵対している筈だから、基本的に人間を見た熊の選択肢は、逃げるはず。


完全に不意を突かれて、人間と遭遇してしまったとなれば、生き残るために、決死の覚悟で攻撃して……立ち去るとかのはず……


「食べれるかも!!」って思って、命の危険を冒してまで人を襲って食べるなんて、あんまり考えられない。


ましては、人を見て「俺の子を産め―っ!」って、熊の発情スイッチが入るなんて信じられない……


それとも、アレか……


この世界は、異種交配が在り得るの?


有り得るどころか、世の常だと言うなら、俺はこの世界に男で転生して助かったわ。


女性の生き方を知らない俺が、そんな世界に女性で参加したら……


考えただけでゾワゾワするわ。


いかんいかん……クマエの覚悟から出たカミングアウトに、水を差すわけにはいかない。


この疑問は、次におじいさんか、先生に会ったときに、ぶつけてみよう。


で、話を戻すと、クマに襲われてできた子ってのは……


「どういうこと?」


「はい……母は、軍医を補佐する助手でした。」

「平時は、城壁内の兵士達が定期的に行っていた野外訓練に、看護スタッフとして従軍していました。」


クマエのお母さんは、軍属の看護婦さんだったって事か……


「あるとき、いつも行っている訓練場での訓練ではなく、より実践を想定した山岳訓練が行われました。」

「もちろん母はいつも通り参加したようです。」

「そして、医療用の水を汲みにキャンプを離れたところで、熊に襲われてしまったようです。」


近くで人間が軍事訓練してたら、熊は近寄らないような気もするけど……

発情していて、そういう考えなかったのか。

まぁ、知能の発達している人間も、中には、後先考えず下半身の赴くままに行動してしまうからなぁ……


「一月後、体の異変に気が付き、母は命が宿っている事を悟ったようです。」

「命に携わっていた母は、独りで悶々と葛藤しながら、私を産みました。」

「しかし、産んだ後も葛藤は続いたようです。」

「産んだ後も家族の理解は得られず、独りで葛藤する日々が続いたようです。」

「そして、産後のストレスも相まって……自殺してしまいました……」


ちょ……


この辺で一息入れませんか。


俺の「実はラゴイルじゃありませんでしたー」よりヘビーなんですけど。


俺は気が付くと俯いてクマエの話を聞いていた。


肉体関係の有無は?


聞きたかった話と違うー!


俺の中で込み上げてくる思いをクマエにぶつけようと、頭を上げた。


しかし、決意を抱き真剣な表情のクマエに圧倒されて、俺の思いは思考の奥底へ沈んでいった。


そして、クマエの話は続く。


「新生児の私は、教会に引き取られたそうです。」

「その教会に、たまたまラゴイル様の一行が通りかかり、ラゴイル様が私の存在を面白がって、強引に取り上げていったと聞いています。」

「それからは、ずっと城内での生活になりました。」

「4歳になったころから家事手伝いとして、床磨き等、単純作業で使われるようになりました。」

「他の大人たちと一緒になって、淡々と肉体労働をこなしている様子がラゴイル様の目につき、身体能力測定が行われました。」

「その結果、身体能力が成人男性を凌駕していたそうです。」

「それからは、家事以外にも、警備用に格闘術を習わされました。」


ん……?


ラゴイルは始め、自分のコレクションの1つとして引き取ったのか。


そして、ただコレクションしてても仕方ないから、働かせようとして、家事手伝いにした……そしたら5歳で成人男性を凌駕……?


それは、その……お父さんが熊さんだからなのかな……?


まぁ、それはそれとして……


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