第43話 ダークエルフ五人衆?
「あれ、なにこれ……w型の彫……ん?なんか付いてる……」
五人はお互いに見合い、触ってマスクを確かめていた。
「はい。五人のマスクは全てカシオペア座の彫があります。そして、それぞれの今後の名前の場所に合わせて着色したオパールが付いています。」
「どういうことだ……?」
シロウがゆっくりマスクを取って訊いてきた。
「五人の総称も決めなきゃだけど、五人の呼び名も今のままじゃダメだからさ。シロウが『シェダル』でオレンジの星、ツトムがカフーで赤の星、タマエがセギンで青の星、イチオがゼータで緑の星、マコトがルクバーで白の星。覚えといてね。お互いを呼ぶ時も馴染みの強いままでの名前で呼ばないように注意してよ。」
「カシオペアって何ぃ?」
「ん-、おまじないかな。」
構成し掛けているお前たちが今後闇に落ちないためのね。
「それから、まとめた荷物ですぐに使わない物は俺の方で預かるからね。そうだな、出発までにこの広間の真ん中にまとめて置いといて。くれぐれも無記名の無いように!自分の物だって分かるようにしておいてね」
「「はーい。」」
シロウとツトムの返事は聞こえなかったが、反対の意志も見えなかったし、ひとまず良しとして……
「さて、それじゃ、所用を済ませてここに集合するまで、自由行動です。解散!」
俺の声に一番初めに動いたのはグラーシュだった。
真っ先に出口へ歩いて行った。
雷撃の練習だろうな。
吊られるようにしてダークエルフ達も出て行ってしまった。
先に所用……というか家族との別れをしに行ったのだろう。
荷物を先にまとめてくれれば俺は助かるってのに……
まだ新しいパーティや俺への配慮よりも自分の事が優先なんだな~。
この点は旅を続けるうちに変わってくれると信じよう。
そんなことを考えながら、俺は外に出た。
まだ明るい。
この感じだと、日没までは一時間以上はありそうだな。
ヨシッ!今日はちょっと早めに暗くなってもらいますか!!
ローブ六着とマスク五枚で光の粒子を消費しちゃったから、補充したい。
それに、そもそもこれで、ルーロック山のダークエルフ問題も一件落着だ。
ちょっとくらいルーロック山が暗くなっても文句は出まい……
いや出るか……でも良い事にしちゃおう。
そもそもダークエルフが暗躍しているルーロック山が日没よりも早く暗くなったっておかしくないよな。
俺の考えが固まったところで、夜の帳がルーロック山に下りた。




