第41話 変装手引き
「ん-、五人を呼ぶときか……そうだなぁそしたら……Dark Elf Fiveで、DEFは?デフ」
「なんていうか安直だな。街中で呼ばれても素性がバレないという点では別に悪くないけど……」
ツトムの評価には棘を感じた。
「『それ、どういう意味ですか』って訊かれたら、どうするの?」
タマエの質問が鋭くてキツい……
「むむむ、ノリで付けました!って言う!」
「あ……そうだった。ルランって本物だったよね。」
「ルランにツッコミを入れないって決めたばっかりじゃん!」
「そう言うマコトだってさっき」
「ごめん、そうだった。でもダークエルフファイブは酷いでしょ?」
「たしかに~」
マコトとタマエで夫婦漫才?
「ってか、DE部分で気付く人いるんじゃな~い?」
それもそうか……
「もういいや五人衆で。」
「「雑ッ!!!」」
「まぁ、一旦保留かな。基本的には、ちゃんと個別に呼ぶから安心して。それとさ、ローブとマスクを支給しようと思うけど、今まで使っていたものに愛着とかある?」
「え?無いよ。そんなの」
「新しいのくれるの?」
「カッコいいのが良い!」
「可愛いのでしょ。」
おいおい、てんでに何を考えてんだ。
「ダークエルフであることを隠すためのローブとマスクだぞ。」
「高身長、褐色の肌、黒髪、赤い目、整った顔立ち……ローブとマスクだと高身長は隠せないね。」
ははは、ツトムよ、さらっと容姿端麗宣言が含まれているような気がしたけど、まぁいいや。
「高身長はあまり気にしなくていいよ。アルディが一番大きいし、グラーシュなんて、お前らより身長高いし超絶美形じゃん。」
「ルラン様。そ、そんなことは。」
あ、いかん、自分で太刀打ちできないからついグラーシュの威を借りてしまった。
「とにかくだ、五人ともローブとマスクで隠せば、他の人は、お前たちの事をグラーシュみたいな人なのかなって錯覚すると思うんだよね。」
「だから、このタイミングで、五人とグラーシュは同じ、俺特製のローブに替えてもらいます。」
「今までのローブは?」
「俺がきちんと保管するよ。」
「俺のは廃棄しちゃっていいよ。」
「俺のも廃棄で!」
「私のも~」
「あー、保管しておいてほしい人は?」
……
「いないんかーい!そしたら、俺の方で廃棄します。それでは回収しまーす。」




