第39話 レクレーションの予約
「そんなに驚くことかなぁ……」
魔法に詳しいエルフなら、召喚術の知識も豊富だろうに
「全然わからなかった。なんだか変わった二人だなぁとは思ってたけど……ルラン、召喚術使えたってことだよね?でも、魔法使えないっていってなかったっけ?」
「ん-、ごめん、俺も良くわかってないから説明できないんだ……で、魔法の使えない俺に召喚された二人だから、あの二人も魔法は使えないっぽい……」
「はぁ?なんだか訳わかんない。私の知ってる召喚術と違うし……」
「え?」
俺はマコトの一言の直後四人のダークエルフの顔を見渡したがいずれも首を横に振っている。
「まぁ、でも現に召喚は出来ている訳で……そういうものだと思って、よろしくお願いします~」
「ふんっ、そんなんで、見張り勤まるの?」
「おいおい、宜しくって言ってるのに、全然宜しくねぇじゃねえか……まぁ、見張りは務まるよ。ってかマジな話…言い難いけど…ここに居る五人の誰もアルディにもエレナにも敵わないと思うなぁ……もしかすると、五人で束になって掛かっても二人には勝てないんじゃないかな~。」
「「はぁーー?」」
「何言ってるの、ルラン……そんなはずはないよ。」
疑念の大合唱に続きマコトが呆れ声を漏らした。
「はいはい、そんなに気になるなら、時間を見つけてちょっと手合わせしてみたらいいよ。特にエレナには絶対に、絶ぇぇぇっ対に、適わないんじゃないかなぁ。あぁ見えてアルディより強いから……」
なんてね。
ってか、エレナにドンドン魔法で挑んで貰えば、賢者の石が集まって一石二鳥なんだよな~。
「絶対……?」
シロウが右の眉をピクつかせながら小さく呟いた。
「ルラン、仲良くって言ったその口で喧嘩売ってな~い?」
「売ってないよ。ただ、エレナ独りに参ったさせても『じゃあアルディは?』ってなるから、二対五でやればいいんじゃない?その方が後腐れないし……」
「意味わかんない!」
「いーじゃん、ルランが手合わせしていいって言うならやってみようよ。良いんでしょ?」
タマエが切った流れを、わざわざイチオがもう一度流した。
「いくらでもどうぞ~!ダメなら何度でも挑んでみたら?腕試しになっていいかもよッ」
「やっつけちゃってもいいのぉ?」
「マコト……好奇心は良いけど、怪我の無いようにね。」
「殺しちゃっても?」
「物騒なことを言うなぁ。シロウ……仲間だからね。」
「ふん、何を生温いこと言ってるんだ!再召喚できるんだろ!?」
「出来るけど……お前……」
“負けませんのでご安心を”
アルディから思念が飛んできた。
ははは、バチバチだな。
「まぁいいや、アルディは受けて立つってさ。」
“私も大丈夫です”
「エレナも良いみたい」
「良し!」
「殺る気満々なところをすいませんけど、みなさん、格闘技や剣術などは?」




