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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第27話 見当違いが命取り

交渉決裂は分かったけど……


「マナポーションってあんなに無気になって、何本もがぶ飲みするもんなの?」


初めて見るマナポーションの飲用が予想外も過激な一気飲み大会なものだから、俺はコウゾウさんに質問してしまった。


「もしかすると、強化系の薬も飲んでいるかもしれません。」


おいおい、どうせもう一発やるんでしょ?もうネタバレしてるんだから……


「無駄な抵抗は止めて、大人しくしなさーい!」


「ふふ、次は、どうかな……」


まぁ……そうなりますよね、お薬ガンギマリのまま止めることなんてできないよね。


ダークエルフが構えると、先ほどよりも大きな白く光る球が姿を現した。


生き物以外だったら幾らでも吸収してやる!!ってか……


「そんなの発射したら、大変なことになるぞー!やめとけー!」


俺の親切心溢れる制止も空しく、返答の代わりに、まばゆい光を放ちながら球が飛んできた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ


視界が完全に光に覆われるが、一度受けた技だ。


俺は冷静さを失わなかった。


「はいはい、吸収っと。」


速やかにゲートを展開して音も無く吸収した。


静寂の中、腰を抜かさずに直立の俺とは対称的に、ダークエルフは完全にグロッキー、一人だけが上体を起こしていた。


「何故だ……先ほどはお前も……」


「ごめん、お恥ずかしい話ですが、ビビッて腰が抜けただけなんだ。効いてたわけじゃないのよ。」


「な……」


言葉と同時に意識も切れたのか、ダークエルフは倒れてしまった。


「おい、待て、寝るな!」


俺は話をしに来たってのに……


トボトボと近づいて見ると、全員白目をむいて気を失っている。


薬回ってそうだから、叩き起こしても話にはならないだろうな……


「えーっと、当初の作戦を変更して、ダークエルフをアジトに搬入して手当てします。」


コウゾウさんは、俺の言葉に耳を傾けず倒れ込んでいるダークエルフのフードを退かして顔を見て回っていた。


「コウゾウさん?あの、作戦変更なんですけど……」


「イチオーッ!!」


「え……?」


「イチオ――――!!」


「居たの!?」


「ルランさん、イチオが……」


「コウゾウさん!落ち着いてください!ただのマナ切れですよ!!(知らんけど。)」


「へ?」


「コウゾウさんも見てたでしょ?私から攻撃は何もしてませんよ」


「そ……そうなんですか?」


「ここではなんですので、一旦アジトの中に入って手当をして、話を聞きましょうよ。」


「分かりました。」



ダークエルフの搬入を済ませ、丁寧に安置されていたダークエルフの遺体に手を合わせて回った。


「ひとまずこれで良さそうですね。あとは、ダークエルフの回復を待ちましょう。」


「そう……ですね」


「すいません、ポーションと毒消ししか持ってないんですよ。」


俺は、そもそもマナポーションなんて知らなかったし……


「いえ、良いんです。そんなことよりも、ルランさん、目が覚めた瞬間に暴れられても困りますし、捕縛しませんか?」


「コウゾウさん、不安なのは分かりますが、そんなことしませんし、させません!」


ってか、目が覚めても、強化剤とやらの反動で、自由に動けないんじゃないかな。


「わ、分かりました……すいません。イチオが生きていた訳ですし……私はそれで十分です。」


「ははは、そうですね……はぁ。」


俺は相槌ついでに溜息をついてしまった。


コウゾウさんとしては、そうなんでしょうけど……


ダークエルフ側は、仲間を半分殺されて、むしろここからが本番で、気合入りまくりのまま……


どうなることやら……



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