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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第24話 安否確認へ

「おはようございます、ルラン様」


え?


聞きなれた声にびっくりした。


「グラーシュ!?……もう着いたの?」


「はい。」


「もう着いたってか、いつマサオの集落を出たの?」


「昨日のうちに出ましたよ?」


んーっ!?


俺は昨日のうちに寝て……


でも、夢の中で思念を送ったのは、ついさっきの様な気がするんだけど……


まぁ、いいか。


おじいさんと先生の2人に掛れば、割と理不尽な力が作用している節があるし……


今はそんなことを考えている場合じゃないし。


「グラーシュ、俺に割り当てられた部屋の中に居るって事は、イチオのお父さんと話はしたんだよね。」


「はい、コウゾウさんとは話をしました。」


コ、コウゾウって言うんだ。


俺は、自分のことを怪しまれないようにって思いが強すぎて、相手のことを知ることをいつも忘れているような気がするなぁ。


いかん、いかん。


「出発の準備は……」


「出来てます!」


早いんよ、出発の準備も、返事も。


「俺の朝飯は……」


「行きがけに食べれるようにお弁当作りました。」


行きがけでお弁当……


なんか、グラーシュの押し……じゃない、積極性が凄いな。


どことなくグラーシュの顔も明るい様な気もするし、どうしたんだろう。


「ん-、そしたら、出ようか」


グラーシュの圧におされ、急いで支度を済ませて居間に移動した。


「おはようございまーす。今日はよろしくお願いします。」


「おはようございます、ルラン様。こんなに多くの護衛まで手配されていたなんて思いませんでした。」


え?そんなに呼んだっけ?


家の中には、グラーシュとアルディとエレナが居るだけで、外には誰も居ない。


「ここに居るだけだよね?」


「はい。」


「コウゾウさん、ここに居るだけですよ。」


「四人もいらっしゃるじゃないですか!」


あ、コウゾウさん、俺も含めた4人が全員護衛だって思ってるのか……間違いじゃないけど。


「あのー、お喜び頂くのは有難いのですが、コウゾウさんの護衛は、グラーシュだけですよ。」


「え?」


「もちろん、私たちも、行きますけどね。」


多分、グラーシュだけでも大丈夫だろ。


「奥さんは?」


「妻には、留守番をお願いしました。行くのは私だけです。」


「独りにして、大丈夫ですか?」


「大丈夫です。昨晩しっかり説得しました。まだ、イチオがどうかなったって決まった訳じゃないだろ!って。」


「分かりました。それでは、早速行きましょう。」




何事も無くダークエルフのアジトまで1km地点に到着した。


「この辺でいったん休憩を入れましょう。」


こちとら朝食を食べ損ねて、グラーシュお手製のお弁当が気になってしょうがない。


一方で、コウゾウさんは顔が強張り切っていて、血色が悪い。


ここまではそんなに緊張しなくてもいいのに……


「コウゾウさん、ここからは、奇襲があってもおかしくないので、十分に気を付けて下さいね。」


「大丈夫です。こう見えて、元は、ルーロック山の衛兵隊です。覚悟はできています。」


いや、何の覚悟ですか。怪我をされても、死なれても、困るんだよ。


「覚悟は有難いんですが、お願いしたいことは、グラーシュよりも前に出ないようにしてほしいという点です。」


「え?」


「グラーシュが、きっちりお守りしますので。」


「は……はぁ。」


溜息の奥に、こんな長身で華奢な女性が守れるわけないだろって声が見え隠れしていた。


人は見かけによらないんだよ、おっちゃん!


「グラーシュ、フォグパレス張って!」


「はい!」


ブワッ!


返事の直後にフォグパレスが展開した。


「ちょ……グラーシュ、無詠唱で出来るようになったの?」


「はい。」


「こ、これは……」


コウゾウさんも固まっている。


サイズも20m四方くらいで、丁度いい感じだ。


「コウゾウさん……ご安心頂けますか?」


「分かりました。指示の通り、グラーシュさんよりも前に出ないようにします。」


俺は驚きを抑えて、コウゾウさんに念を押したが、コウゾウさんも今度は素直に聞き入れてくれた。




「では、作戦を伝えます。」


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