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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第23話 二人の無関心と叱咤

「厄介なことに巻き込まれてしまったわね。まぁ、自分から巻き込まれに行った感じもするけど……」


「そうじゃな、思いの外、面倒な案件じゃ。」


「いっそ、ミーヴ城に戻って、侯爵にぶん投げたらどうかしら?“お前がやれ!”って。」


「ちょ、そんなことしたら身元保証書返せって言い出しそうですよ。」


お言葉に甘えてエルフの家で一泊となったが、寝るとすぐに、おじいさんと先生の夫婦漫才に付き合わされた。


他人事だからって、二人とも言いたい放題だ。



「言わせなければいいでしょ!余りまくってるエネルギーで、ちょっとお尻でも焙ってあげれば、良い子にあなたの言う事を聞くんじゃないかしら。」


「お尻を焙るって……」


「そうじゃ、そうじゃ、興奮するのう。あの高飛車な侯爵がキャッキャ言うんじゃないか。ぐふふ……」


「しないですから!焙るのも!興奮も!」


「そうなの?」


「何じゃ、詰まらん。おまえさんには遊び心が無いんか?」


はぁ。


なんなんだ……


この2人、楽しんでるだけじゃん。


「お二方が思っている以上に、大変っぽいんですから……なんか妙案下さいよ。」


「何を言っとるんじゃ!別にお前さん自身の問題でもないじゃろ!」


「そうよ。“別に大変ですね~”で済ませることもできたでしょうが!」


「――っ!」


言われてみれば……そうなんだよね。


俺が欲を出して、ルーロック山のエルフを助けた実績と、それに基づいて風属性の加護が欲しいって思ったから、勝手にエルフの問題に首を突っ込んでいるだけなんだよな。


この二人は、俺自身の問題には興味があるけど、それ以外は何というか興味が無いだけじゃなく、軽薄な気がする。


イチオのお父さんがイチオにだけ焦点を当ててる様な……


親心なのかな……


まぁ、いっか。


おじいさんや先生の言う通り、自分で勝手に飛び込んだことだから、自分で何とかするしかないか……


「そんなことより、グラーシュは呼ばんのか?」


「あーーーっ!!」


「はぁ、こんな肝心な時にも、欠かさずマヌケね。感心するわ。その筋金入りのマヌケには。」


「今ここでアルディに思念を送ればいいじゃろ。」


「え?そんなことできるんですか?」


「できるわよ。アルディでも、エレナでも、早くしなさい。」


“グラーシュを連れて、急いで俺んとこに全員集合!“


“”御意“”


「送りましたー!」


「よろしい。」


ついついやってしまった敬礼に、おじいさんはグッと胸を張って返事を返してくれた。


「朝には着くんじゃない?」


やれやれと小さく首を振って、先生が話を続けた。


「それだと助かるんですけど。でもイチオ父の準備は整うのかな。」


「何処までマヌケなんじゃ……」


「そうね……」


「え?」


「息子の安否確認に準備もへったくれもあるか!何をどう考えたって、お前さんの準備待ちじゃ!」


「ルーロック山へ貢献してくれるミーヴ侯爵が身元を保証するあなたへ、出来るだけ自制して、大人の対応をしているだけよ!」


あ……


「そう……ですね。」


こういうところは、独身で子供を授かった事の無い俺は、注意し続けないといけないところだな……


「分かったら、パッと起きて、支度しなさい!」


「はい!」


俺は再び敬礼をした。


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