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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第15話 ダークエルフの帰還

しばらくすると、5人のダークエルフが帰ってきた。


かなり疲れ切った様子だ。


分かるよ、今俺潜入捜査中だから、めっちゃ緊張感があって、ストレス酷いもん。


なんていうか、精神すり減らしている感じね。



一瞬、1人のダークエルフと目があったような気がした。


怖っ!


グラーシュの鑑定眼も反応しなかったんだから大丈夫のはずだけど。


折角、慣れてきたというのに、再びドキドキし始めた。


ダメなんだって、もうさ。


35のおっさんよ。


ドキドキで楽しめる歳じゃないんだよ。


潜入捜査は俺に向いてないんだろうな。


俺は5人のダークエルフを追いかけることを止めて、一度洞穴の外で休むことにした。


別に、侯爵に依頼された仕事でダークエルフのアジトに潜入している訳じゃないし。


“おかえりなさーい。奥でみんな待ってるよ~”


心の中で温かく迎えて、5人ともアジトの中に入っていくのを手を振って送った。


当然ながら、5人に気付かれていないっぽいけど。


俺は、木の根元に座り込んで、深呼吸。


スー・・・。


ハ―・・・。



しかし、俺が落ち着く間もなく、ダークエルフが2人、アジトから飛び出てきた。


どうした?


今日はもう営業終了じゃないのか?


顔を赤らめて、辺りを見渡したり、地面を明かりで照らしたり・・・どう見ても尋常じゃない。


中で何かあったのか?


出てきた2人のダークエルフが中に入っていくのに合わせて、俺も後を追って再度中に入っていった。


着いた先は、さっきまでお邪魔していた広間だった。


ただ、様子が違う。


初めに居た5人は並べて寝かせられていて、顔には布が被せられていた。


そのすぐそばで、3人のエルフが遺体にすがって嗚咽していた。



そうか・・・。


差し入れの食事だけじゃなく、毒消しにも毒が含まれていたんか。


さっき、毒消しを飲んで落ち着いたんじゃなくて、それが決め手になってしまったって事か。


どうして俺はこう・・・正常化バイアスが抜け切れないんだ。


現代日本でしっかり平和なお花畑思考を叩き込まれてしまって、この世界では、それが通じないと分かっているのに。


たまたま俺の仲間で今回の事態が発生しなかっただけで、俺たちも目立つようになれば狙われる可能性も高まるわけだし。


なんなら、大金持ってるとか、侯爵と繋がりがあるとかってのも、狙われる理由になりうる訳で・・・。


気持ちを切り替えなければ。



それと、毒消しは一般的な効果しかないから、専門的なのは別途専門医で専門薬って話だったっけ・・・。


特定の毒には特定の解毒薬が効くってのは分かるけどさ。


そんなん気にし始めたら、どれだけの種類の特定の解毒薬を集めてもキリが無いぞ。


しかも、集めたところで、症状が似ていればどれを処方するのが良いかなんて、ド素人の俺にはわからないし・・・。


「高熱が出て死にます」って言われても、そんなばっかりな気もするし。


そもそも、この世界でも、人間・・・だけじゃない、エルフが口にできるものだってそう多くは無いはずだ。


むしろ、口にできない毒物の方が多いような気がする・・・


ゴブリンも使っていたけど、毒ってのは質が悪いな。


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