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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第13話 アジトに到着

ラムーが見る先に偵察用の光の粒子を飛ばしてみた。


マジか、もう着いてますやん。


“ラムー、ナイス!”


ミーヴ侯爵からルーロック山までと言い、凄いな。


ゲート内に大量の空気がストックされている事からすると・・・前方の空気を吸い込みながら走っているのか。


後方にできる空気の渦・・・スリップストームは、尻尾で上手に撹拌して?


器用過ぎるわ!


“とにかく、ありがとうね。後は、お休みくださーい。ラムー、ハウス!”


俺の開いたゲートの中に、ラムーは静かに姿を消した。


さて、まずは光学迷彩!


自分の周りに偵察用の光の粒子を散布!


視界確保!


状況確認!


かなり訓練をしたつもりだったけど、少し酔うな。


ではでは、ここから5km、歩きますか。



・・・



・・・・・



誰も居ない静かな森の中を独りで黙って歩き続けた。


ただひたすらに寂しい。


俺は元来寂しがり屋なんだなって、痛感した。


もういっそ、ダークエルフの集落に普通にお邪魔しようかな。


晩飯とか御呼ばれされたいわ。


ち、違うか・・・。それは違うわ。


でも、マサオの話だとダークエルフは、殺意に従って成し遂げても、成し遂げずに改心しても、ダークエルフのままで、居心地悪くなって、最悪の場合は孤独死だったよな。


ん?


マサオを襲撃していたダークエルフは5人だったから、少なくとも5人は居る訳だから、孤独死しないで済むのか?


想像を巡らせながら歩くうちに、映像酔いにも慣れ、気が付けばアジトらしき洞穴に到着した。


洞穴周辺には、わずかに焚火の痕跡が残っているくらいだ。


当然か。


ここに居ますってアピールする必要が無いもんな。


周辺に外出しているダークエルフは居ない。


という事は全員、中にいるのか。



すると、背後から小さな物音が迫ってきた。


確認するとエルフが2人で、リアカーを引いて近付いて来るのが分かった。


俺は、脇に退いて様子を見ることにした。


俺は完璧な光学迷彩を張っている筈だから、見られることも無いし、気が付かれることも無いから、大丈夫だ。そう分かって居ても、ドキドキが止まらない。


ガラガラガラガラ


「おーい。居るかー。」


「御飯ですよ~。」


は?


どういうことだ?


俺の混乱が治まらぬうちに、中からダークエルフが2人出てきた。


「なんだよ!また持ってきたのかよ!」


「おまえ!なんてこと言うんだ!」


言われたエルフは苦笑いしていた。


「ありがとうございます。おい、おまえも、突っかかってばかりじゃなくて、お礼くらい言えんのか!」


「あ・・・ありがとう、ございます。」


「おまえなぁ、お礼は気持ちよく言えよ!聞いてて気分が悪いわ!」


「ははは、私たちの若い時にも、そういう時期がありましたから、気にしませんよ。要らぬおせっかいかと思いますけど、毒消しとポーションも持って来たんで良ければ使って下さい。」


「何から何まで、ありがとうございます。」


「じゃ、俺たちは戻るね。」



目の前で、当たり前のように、俺が居ない事とされて会話が飛び交い、荷物の受け渡しが終わった。


その状況を改めて体験することで、今にもバレるんじゃないかという不安も、全身にまで響いていた鼓動も収まっていった。


それと同時に、目の前で繰り広げられたエルフとダークエルフのやり取りに疑問が湧いた。


いったい、どういうことだ?


食料の差し入れ?


この最低限の会話からじゃ、訳が分からん。


ダークエルフはエルフから忌み嫌われる存在なんじゃないのか?


このまま荷物を受け取ったダークエルフの後を追って洞穴に突入するか・・・。


帰っていく2人のエルフを追うか・・・。


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