第6話 パーティと合流
しかし、2つの山が関連してるとなると、下手を打てば、ミーヴ侯爵も巻き込まれるのか・・・。
ん?まさか、侯爵、マサオからダムの管理人で訴えを聞いて、敢えて手を引いたのか・・・。
だから、ノータッチでルラン一行が何とかすればいいって判断したのか。
あんにゃろ~。
上等だ、この野郎。
上手いこと解決できたら、ミーヴ侯爵様の“誠意”ってやつを見せて貰おうじゃねぇの!
冗談はさておき、俺はエレナとの思念交換を再開した。
“ダークエルフについては?・・・気になることがあるし、基礎知識も無いし、詳しそうな人に聞いてみるか。ひとまずマサオとか暇だろ。”
“暇だと思います。”
“ははは、辛辣だな。”
ダークエルフの方に変化は・・・
光の粒子を飛ばして偵察してみた。
ここから1日くらい移動したところに、まとまって居るようだな。
前見た時と比べると・・・武装というか、弓が増えているくらいか。
でも、基本的に魔法を使いそうだから、武器や防具の見えた量だけで、戦力予想をすることが出来なさそうだな。
これで、俺が鑑定眼持っていたら、丸裸にできるのに。
丸裸・・・そうか!
光学迷彩して潜入してみるか。
百聞は一見に如かずってね・・・。
なんか、ドキドキするな・・・。
でも、なんにせよ、基礎知識無さ過ぎるから先にお勉強かな。
・・・
エレナと思念で会話しているうちに、グラーシュの修行現場らしきところに到着した。
らしきってのは、その・・・伐採場と言われても違和感の無いくらい、倒木だらけだったからだ。
「大暴れ中すいませーん。調子はいかがですかー?」
「え・・・あ、ルラン様!」
「この・・・倒木は・・・」
こういうことを気にするのは、ダメの大人なんだろうな~。
そんなことより、見てよ、この・・・ってリアクションになるよね。
だって、修行が目的でここに居る訳なんだから。
「大丈夫です、全部ノームから依頼された立木です。」
いや、それは回答として50点だぞ。
まぁハッキリ質問しない俺が悪かったか。
倒した後の“倒木”として、この後どうするんだって事も応えて欲しかったんだけど・・・。
でも、ハッキリ質問しない人の方が多いから、その辺は上手に汲み取って欲しかったな~。まぁ、それはそれとして・・・
「このまま放置して腐らせちゃうのは勿体ないから何かに使う?集落で何かに使いたいとかってあるのかな?」
有事下だから、いくらでも用途はありそうだけど。
「すいません、その確認までは・・・。」
「了解、そしたら一旦回収しときましょ。で、修行の成果は?」
「完璧です!」
おぉ!グラーシュがここまではっきり言うという事は、期待大だな。
「なんか見せて!」
「はい!」
グラーシュは、立木を見定めて、正対した。
ん?
随分と距離があるが・・・。
「ふーっ」
グラーシュは息を整えた。
ブワッ!
次の瞬間、フォグパレスが無詠唱で展開した。
「はい?」
邪魔をしないように声をださないで見ようとして決めていたってのに、つい声を漏らしてしまった。
しかし、グラーシュの集中は乱れず、続けて、型?を見せてくれた。
実に美しい!




