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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第4話 再自認

「任意の地点に出れるわよ。」


「は?」


「だから、任意の場所よ!」


「え・・・えーーーっ!!ちょっと、待ってください!」


「何よ。」


「任意の場所って、好きな場所って事ですよね?」


「他にどんな意味があるのよ!」


「念のため、確認しますけど、例えば、ミーヴ侯爵城内で自分の体を吸収して、ルーロックに居るグラーシュの目の前で出るって事もできるって事ですか?」


「できるわね。」


「先に言ってくださいよー。」


「何でよ!!」


「それが出来れば、ラムーで移動なんてしなかったですよ。」


「そうかもしれないけど、でもラムーで移動して改めて再認識できたこともあったでしょ?」


「それは・・・そうですけど。急いでるんですよ!」


「そうなの?ルーロック山で動きが無いのは分かっていた事じゃない!」


「まぁ、そうですけど。でも・・・」


「それに、あなた、この力を知ったって、好きな場所に好きなように移動するつもりないでしょ?」


「そんなこと無いですよ。そりゃあもうドンドン利用して・・・。」


「有り得ないわ。自分の行ったことのない場所に突然下り立って、何ができるの?何をするつもり?」


「それは・・・」


「飛んでいった先で人助けとか?でも、状況把握が甘くて、人助けになってなかったって後悔する事もあるかもしれないわ。いっそ、大量破壊、無差別殺人とかするっていうなら、いいかもしれないけど。」


そうか・・・。


「やっとわかった?任意の場所に飛べるからって、好き勝手に思い付きで飛ぶのは、リスクが多過ぎるのよ。」


それは・・・


「確かに、移動してみてダメならもう一度自分を吸収してエスケープって事もできるでしょうけど、その行動って必要なこと?」


むむむ・・・


「偵察ならいつも通り光の粒子を飛ばせばいいじゃない。」


「おっしゃる通りです・・・。」


「ホント、ジジイの言った通り、“寸分違わず、今も昔もマヌケ”ね。」


「まぁ、その辺にしておいてやれ。ここで畳み込んでも、仕方ないじゃろ。」


「ふん!まぁ、それもそうね。」


「お前さんも、そんなに凹むでない!」


「・・・」


「ピンチをやり過ごすために自らを吸収することも、任意の場所に出られること自体も、別にお前さんが弱くなる要素じゃないじゃろ?」


「そうですね。」


「理解して、使いどころを見極めて使、好きに使えばええ。」


俺が凹んでいるのは、自分のマヌケな思考回路の方なんですけど・・・。


「それに、お前さんのマヌケは今に始まった事じゃない。大丈夫!前からじゃ。今更、何を気にしとるんじゃ。本当にコンプレックスに感じてるなら、もっと前に直してるじゃろ!つまり、お前さん自身、深刻に感じてない程度のマヌケということじゃ。」


ちょ・・・。


慰めてないじゃん。


「直すのは勝手じゃが、儂等はお前さんのマヌケが好きじゃ。人間臭くて、臭くて臭くて、鼻にツンと来て、目にも心にも沁みるわ。もー、たまらん。」


「いやいや、全然褒めてないじゃん。」


「褒め取らんが、儂は別に、お前さんはそれでもいいと思ってるぞ!」


なっ!?


「お・・・おじいさん。俺・・・うううっ」


なんか、今おじいさんの愛を感じたような気がした。30過ぎて涙腺が弱くなってるってのに・・・。


「おいおい、良い歳こいて泣くでない!それにそろそろ起きた方が良いんじゃないか?」


「え?」


「闇の粒子でルーロック山に転移すればよかったなんて言わなくて済むかもしれんな。」


まさか・・・


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