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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第12章 ルーロック山(前編)
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第1話 武具の受取り

ルーロック山で待つグラーシュのブーツとアルディの弓を受け取りに、ボルカールの店を訪問した。


「いらっしゃいませ~、あ、ルランさん」


「どうも~」


看板娘に名前を憶えて貰えられていたことに胸が躍って、気楽に返事をしてしまった。


「いらっしゃい、あれ、グラーシュちゃんとアルディは?」


後ろからひょっこり顔を出したボルカールの一言に耳を疑った。


グラーシュちゃん?


なんかこのエロジジイの中でちょっと見ないうちに、いかがわしい妄想が膨らませてるんじゃないのか!


「あれ、エレナさんも、アルディさんも居なーい。」


続けざまに看板娘の残念そうな声が店内に響いた。


「今日は俺だけです。頼んでいた商品を受け取りに来ました。」


「馬鹿たれ!誰のための特注品を作ったと思ってるんだ。本人じゃなきゃ渡さんぞ。」


ちょ・・・いっきなり、かましてくれるなぁ。 


「話は分かるんですけど、ちょっと、緊急で重大な事件の対応に奔走してて、来れたのは俺だけなんですよ。」


「何が緊急で重大な事件に奔走だ!ダメだ!こっちは命がけで、使い手の事を考えて一生懸命作ってるんだ。小僧、なめんなよ。」


「使い手の事を考えて?」


「そう・・・だ。」


おい、エロジジイ!


今、一瞬だけど、鼻の下、伸びたぞ!


使い手じゃなくて、グラーシュの事しか考えてないだろ!


「いいじゃん、受け取ってさ、不具合があったらまた持ち込むからさ。」


「ダメだ。それは、受取の時にきちんと最終調整をしたのに、不具合があった場合の話だ!」


「っていうか、ルランさん、3人は今どこにいるの?」


「ルーロック山です。」


「ルーロック?それは遠くにいるわね。呼んで来てって話じゃないか・・・ボルカールさん・・・」


「ダメなものはダメだ。何だと思ってるんだ。吊るしを売ってるんじゃないぞ!」


「だーっ、分かりましたっ!分かりましたって。また来ますよ。」


「初めからそうしろ!」


まぁ、受け取れずに引き返すことも想像はしていた。


“受取予定日よりも遅くなってしまったけど、忘れてませんから、忘れないでね”ってつもりで来たからさ。


予想外に、覚えていてくれたし、好印象だったからいいけど。


好印象というか、いかがわしい妄想をするくらい印象づいていたみたいだから、ちょっと困りものだが。


「そうだ、せっかく来たんだから・・・」


「何か買ってく?」


俺の不意の一言に、看板娘の目が輝きを取り戻した。


「いやいや、この店にふらっと立ち寄って買う物、無いでしょ?」


「あはは、そうでした。」


「そうじゃなくて、ちょっと聞きたいことがあって。」


「どんな事でも、答えられることでしたら何でもお答えしますよ。」


「アイテムや武具のランクについて聞きたいなぁって」


「そんなもん聞いてどうするだ?」


「今後の参考にしようかなと。」


「そんなもん参考にならんわ!」


「そうなんですか?でも、そもそも区分け?階級?ランク?を全く知らなくて。たしか、コモン、レア、レジェンド、ユニークでしたよね。」


「それに、ゴッドと未識別がありますので、コモン、レア、レジェンド、ユニーク、ゴッドと、未識別ですね。」


「結構、有りますね。」


「はっきり言って、コモンは使い物にならん。それに、ゴッドなんて物を見た事が無いわ。」


「それに、ユニークも一品物だから、あまりお目に掛る事無いですね。博物館とか行けば、見れるかも。」


「そうすると、実質的には、レアとレジェンドって事ですか?」


「そうだな。儂が最高級の材料で丁寧に作り込めば、レジェンドレベルだな。何せ、儂、名匠だし。」


そうだった、ただのエロジジイじゃなかった。


「ま、評価が性能と一致してるわけじゃないからな。そこは気を付けろよ。使い手との相性とか、使い方の方が影響大きいぞ。」


つまるところ、“道具”だもんな、そりゃそうか。


「それに、このランク分け誰がしてると思う?」


「え?」


「そりゃそうじゃろ。誰かが決めなきゃ、ランクなんて分かれん。ランクの中に未識別ってのがあるんだから、そのくらい気が付け。」


「そっか。そうですね。で、誰が決めてるんです?」


「ひひひ、その話、長くなりますよ。ボルカールさんの恨み節も聞くことになるから。」


「おい!恨み節とはなんだ!至極真っ当な主張だ!」


「ちょっと待ってください。急いでますから次の機会にします。勉強になりました。ありがとうございました。・・・それじゃ。出直してきますね。失礼しまーす。」


「はーい、またのお越しを~。」


「待たんか!マヌケ。今度はちゃんとグラーシュちゃん、連れて来いよー!」


おいーっ!


アルディはよ!!



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