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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第56話 魔王(他称)

タリスマンを付けられる前後の侯爵の言動から判断すると、エルンスト?侯爵の甥?の行動を、侯爵は知らなかったっぽいし、意に反していることが伺えた。


つまり、侯爵は、俺を服従させるつもりも無かったのは、これまでの言動から判断ができる・・・侯爵は、無罪放免?


だから、今回のタリスマン騒動は、エルンストの単独犯か?


エルンストは・・・俺の首にタリスマンを掛けて・・・あ!


俺の事、魔王とかって言ってたな。


「俺が魔王?」


「ルラン・・・様の、力が規格外なことから、エルンストが勝手にそう捉えたのかもしれません。」


「お前はそう思っていないと?」


「魔王は、確かに規格外の力を持っています。その1点は共通しますが、本質が違います。」


「魔王の本質?」


「私の魔王の捉え方は、本質的に“テロリスト”です。」


は?


魔王って、テロリストなの?


この世界の政治家の考え方ではってことか?


それとも、ミーヴ侯爵特有の解釈?ってか・・・。


「どういうことだ?」


「テロリスト、つまり、恐怖【terror】+人・専門家・主義者【ist】です。だから、規格外の力を示威的に使い、恐怖に陥れて、秩序を破壊し、自分本位に引き込む者という事です。」


な・・・るほど、なるほど。


付き人達は、俺の規格外の力に畏怖を感じてしまったから、魔王と称したって事か。


だが、できることなら、その規格外の力は利用したい・・・。


だから、支配してやろうと思って、レジェンド級のアイテムを持ち出して行使した・・・って流れか。



ん?


でも、その魔王の定義だと・・・


「規格外の力で、恐怖に陥れて・・・という定義だと、魔王は多種多様ということか?」


「はい。」


ますます、複雑だな。


変な話、例えば、グラーシュが力の弱い種族の集落に行って、暴力で恐怖に陥れて・・・


「私のいう事を聞きなさい!」って始めたら、魔王と言われるわけだ。


でも、色気で秩序を破壊したら、魔王にならない?


魔女とかって言われるのかな。


美魔女・・・。


なんか、しょうも無いおっさんたちが移住希望で集まってきて、それはそれで活気が溢れたりなんかして・・・。


じゃない!



すぐに脱線するのは、悪い癖だな。


今は、関係者の罪状認否だ!


執事は腰を抜かしてへたり込んでいたから、無罪かな。


もう1人の付き人は・・・分かっているようだったな。


敢えて手を出さず、エルンストの行動を容認し、侯爵のヘルプにも応じなかった。


事前に申し合わせがあったのが疑われるな・・・。


「お前は知らなかったし、俺を魔王とも思っていなかった・・・執事は無関係・・・すると、付き人2人か。」


さて・・・どうしたもんかな。


カムフラージュの為に、パチンと指を鳴らして、闇の粒子で作っていた膜を回収した。



「な・・・」


仁王立ちする俺と、その前で力無く座り込む侯爵を見て、付き人が声を漏らした。


「2人の処遇は・・・私に任せて下さい。」


すがるように俺に嘆願する侯爵。


別に俺、怒ってないんですけど。


自分のことがよくわかって居ないのに、他人のことを怒るの嫌いだし。


でもまぁ、もう少しだけこの状況を活用するか。



俺は唖然としているエルンストに近づいた。


「これは、お前に返しておこう、俺には過ぎた逸品のようだ。」


そう言って、エルンストの首に下げてやった。


「え・・・あ・・・ギャー!」


突然我を失って叫び出すエルンスト。


タリスマンが、再び光を・・・・。


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