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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第51話 水代金の受領

“グラーシュは?元気にしてる?”


“はい。一応元気です。エルフ側の出方次第で、する事が無いからと、ひたすら練習しています。”


“宿泊先は?”


“マサオの住む家です。”


アルディとエレナに何かしらの異常があれば、こっちにフィードバックがあるはずだけど、特にそのシグナルも無いし。


まぁ、ひとまず安心といったところか。


“こっちは、これから代金の受け取りだよ。済み次第出発だけど、また連絡する。”


“分かりました。”


用意が出来たら呼ばれることになっているし、俺はする事が無いからって、努力しないぞーっ!


バフッ


真っ白なシーツが敷かれた大きなベッドにダイブして、目を瞑った。



・・・



コンコンッ!コンコンッ!


ドアをノックする音で目が覚めた。


不安を抱いて寝る馬車の中と違って、深く眠り込んでしまったようだ。


やっぱり安全の保障された部屋のベッドで寝ると違うわ。


しかし、大金が待っている!


「はーい!」


思いのほか大きな声が出てしまった。


足取りも軽く、勢い良くドアを開けると執事さんがいた。


「お待たせしました。用意が済みましたので、ご案内いたします。」



案内された先は前回とは異なり、侯爵の執務室だった。


侯爵は、部屋の奥のどでかい木製の机についている。


「へぇ~、普段はここで仕事してるんですか?」


「そうだ。」


部屋の中央にテーブルとソファーが配置されている。


ソファーの高さに合わないハイテーブルの上には、白い無地のテーブルクロスのが掛けられていた。


ん?


侯爵・・・服装はハイソなのに、このテーブルだけはインテリアに失敗してるんじゃないの?


まぁ、俺には関係のない事か。


ってか、これから200億Yが持ち込まれるのかな?



侯爵はテーブルに近づくなり、テーブルクロスを勢いよく剥いだ。


下から現れたのは、目が眩むほどの輝きを放つ巨大な金塊だった。


ハイテーブルだと思ったのは、ローテーブルで、上半分は金だった。


目を細めて凝視すると、金貨の表面にミーヴの紋章・・・。


「こ・・・これ全部金貨ですか?」



「そうだ、約束の200億Yだ!しかも、全て金貨で用意してやったぞ。2,000,000Gだ!さぁ受け取れ!」


マジかよ・・・。


「今日の引き渡しは半額で、残金は半年後だ。欲しければ取りに来い!」とかって言い出すかと思ったが、気前のいいこと。


ってか、このテーブルも良く潰れないな。


魔法で強化でもされているのか?


「すべて改めるか?」


テーブルを不思議に見ていたつもりが、侯爵に誤解されたようで、不敵な笑いを浮かべて問うてきた。


「いえ、侯爵を信じて、このまま頂きます。」


「ほう、素直に喜んでおこう。」


まぁ、急いで戻りたいってのもあるんだけどね。


「それでは頂戴します。」


そう言って、ローブを脱ぎ、金貨の山の端から徐々に掛けていった。


ローブの内側に作ったゲートに、どんどん金貨が吸収されていき、あっという間に代金の回収完了。


自分の内側に意識を向けて、吸収した金の重量を確認した。


侯爵の言う通り、200,000枚の金貨、2,000,000G!


「確かに、受け取りました。ご高配を賜り有難うございます。」


深々とお辞儀をして、頭を上げた時にはあまりの呆気無さに、侯爵はポカーンと口を開けていた。



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