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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第49話 寝起きでいきなり

馬車の激しい走行音に、ふと目が覚めた。


目を開けて真っ先に視界で捉えたのは、頭を抱えて伏せている侯爵と、それに覆いかぶさっている付き人の姿だった。


「何とも過保護なお休みの仕方ですね。」


「ルラン・・・こんな時に何を・・」


「それに、ずいぶん飛ばして下さっているみたいで、この調子なら、かなり時短できそうですね。ってか、馬車が持ちますか?」


「バカもーんっ!!敵襲だ!敵襲!」」


「え?敵襲?あれ、今街中走ってますよね?」


窓から外を見ると矢が飛んできた。


幸いにも、馬車を飛び越えて行った。


「うおっ!」


咄嗟に頭を下げた。


何がどうなってるんだ?


馬車は走ったままだ。


ゴブリンって疾走しながら弓を射れるんだっけ?


周囲に光の粒子を散布!


――!


人?


しかも40人位の騎馬に追われてるじゃん。


「強盗・・・団?」


「そ・・・そのようだな。あの割れたザクロにナイフのマークは、“鬼士燃刃”とかいう非道な強盗団で撲滅対象だ。頭目を含めて、ほとんどの構成員が指名手配中で、いわゆる“デッドオアアライブ”だ。」


「ほう・・・ご自慢の騎兵隊で撃退はしないんですか?」


「多勢に無勢だ。」


「このまま逃げ切る感じですか?」


「いい加減にしろ!お前のそのバカげた力で、何とかしろ!!」


なんとかしろって、相手は人間じゃん・・・。


「いいの、殺っちゃって?」


「さっきも言っただろ、デッドオアアライブで指名手配中の者ばかりだって!」


そう言う事か。


「それじゃあ、この分の報酬も楽しみにしてますよ!」


おもむろに仕込み杖をローブの下から取り出した。



「なんだそれは?」


「秘密兵器です。」


「ひみ・・・」


侯爵は呆れた顔でこちらを見ている。


侯爵、悪いけど相手をしてあげられないんだわ。


さて、相手が人なら亜音速弾で十分だろ。


弾丸は・・・砂が余ってるし・・・先はピンピンに尖ったガラス製だ!


窓から身を乗り出して・・・


発射!


ギャー!


ドサッ!


後続の鬼士燃刃が1人、また1人と悲鳴を上げて落馬していく。


発射音も無ければ、反動も無い。


おまけにマイール山で嫌というほど実戦経験を積んでいるから、撃ち慣れている。


あっという間に、強盗団の気配が無くなってしまった。


「侯爵、過保護なお休みのところ、すいません。終わりましたよ。停車させて被害確認した方がいいのでは?」


「!?・・・言われなくてもわかってるわ!」


侯爵の指示で、馬車が止まり、騎馬隊の数が確認された。



その後、騎馬隊の一部と付き人に、鬼士燃刃の状況を確認するように指示が飛んだ。


来た道を戻って確認作業が始まったが、程無くすると、合流した。


「鬼士燃刃、全滅していました。」


「分かった。」


「騎馬隊の一部は、地元警察との後処理の為に、指示を出して現場に残しました。」


「うむ。それでは移動を再開するぞ。」


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