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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第40話 探し人

「ん?あぁ、マサオ君ですか?」


あれ・・・マサオ?


確か俺が聞いた時にはマサルって答えたよな。


で、マサオじゃないんかーいってなって・・・


「マサル君ですよね?」


「いえ、マサオ君ですよ。」


えーっ!


ルーロックのマサオって、探していたエルフじゃないか?


いや、待て。たまたま同じ名前って事もある。


マイール山のカヅオ村長が、尋ねてみろって言ったのが、まさか少年とは思えないし。


いや、思い込みは良くない。


一言聞くだけで済むことだし、確認しよう。


「そのマサオ君は、今どこにいるか分かりますか?」


「多分ですが、侯爵と面談していると思いますよ。」


侯爵と?


またややこしくなってきそうだ。


勘弁してくれ。


「侯爵はどちらに?」


「確か、スタッフルームの隣の小会議室だったと思います。」


「分かりました。」


「ご案内いたしますよ。」


「え・・・。ありがとうございます。」



・・・



案内された小会議室には、マサオの他に、侯爵と付き人2名と執事が居た。


「失礼します。お話は済みましたか?」


「あぁ、ルランか。話は済んだぞ。」


そう言うと、侯爵は立ち上がって付き人を連れて退室していった。


しかし、マサル・・・じゃない、マサオは、うつむいていて席から立つ気が無いようだった。


「ちょっといいかい?」


「・・・」


「マサル君じゃなくて、マサオ君?」


「・・・」


俺じゃダメか。


「マサオ君なの?」


「うん・・・」


空気を読んで問いかけたグラーシュに、マサオは返事をした。


「私たちね、マイール山のカヅオ村長から、ルーロック山に行く際には、“マサオ”を訪ねてくれって言われたの。」


「お父さんから?」


カヅオとマサオは父子なんかーい。


そしたら、マサオはマイール山のエルフ・・・・まさか、助けてもグラーシュは風の加護を受ける条件は満たさないのか?


まぁ、マサオを助けた事は良かったけど、一石二鳥という訳にはいかなかったって事か・・・。


「そうよ。」


「でも、ごめんなさい。このままじゃ、ルーロック山には戻れない。」


「どうして?」


「侯爵に、ルーロック山を助けてってお願いしたんだけど、ダメだって。」


「え?侯爵がダメって言ったの?」


「うん。だから、このまま街に降りて、ギルドに駆けこんでみる。」


「ちょっと待て、マサオ!」


つい割り込んでしまった。


「何?」


「何って・・・いいかぁ?・・・大人たちは色んなことを気にしちゃうもんなんだよ。だから、マサオみたいにすぐに行動が出来ないんだって。」


「・・・」


「侯爵から、正式な代表者とか責任者とか聞かれなかった?」


「・・・」


「それか・・・公式文書・・・ルーロック山からの正式な依頼の書かれた書類を出せって言われなかった?」


「言われた。」


「で、持ってる?」


「持ってない。」


あちゃー。


俺はルーロック山の状況を、光の粒子で把握済みだからさ・・・


「マサオの言っている事は本当なんだろうなって思ってるよ。」


「ホント?それなら、助けてよ!」


ちょ・・・ドストレートを全力で投げる事しかできない年頃か。


それにしても、次から次へと、色々あるなぁ。


「今、俺が言った事、覚えてるか?」


「何?」


「大人たちは色んな事を気にしちゃうもんだって話だよ!」


「え!?助けてくれないの!」


「話は分かった。ちょっと、考える時間貰っていいかな?明日の朝までには答えを出すからさ。」


「うん・・・分かった。」


「執事さん・・・」


「侯爵なら、食堂かと。」


さて、侯爵を追っかけるか。


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