表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

370/475

第37話 場慣らし

先行して飛んできたが、見ていた映像の通り、ダークエルフの集団がエルフの少年を襲っていた。


開けたところを走っては、ダークエルフの放つ矢の格好の的になる。


少年は、ひたすら藪の中を全力疾走しているのが見えた。



さて、どうするか。


今すぐ少年を助けたいのは山々だが、軽率にそれは出来ない。


俺の中で、エルフの少年を助けるのは、グラーシュで確定してるからだ。


というのも、マイール山で水の加護を受ける条件の1つが、マイール山のエルフを助ける事だった。


このことから察するに、ルーロック山のエルフを助けることが風属性の加護を受ける条件になっていてもおかしくない。


そして、悔しいけど、“空”の俺が助けても風の加護を受けられない可能性がある。


一方で、グラーシュなら風の加護を受けられるはずだ。


つまり、ここで、グラーシュが風属性の加護を受けるために、少年を助けることがここでやるべきことと言える。


だからと言って、この眼前の状況は放っておけない。


俺の出来ることは・・・


少年を見失わないようにしながら、ダークエルフを牽制する事・・・になるな。



“アルディ、エルフの少年を助けるのはグラーシュね。それのサポート、頼むよ。”


“御意”



さて、どうやってダークエルフを牽制するか・・・。


ダークエルフの数は・・・5人!?


緊急事態だからこそ冷静さを保って、高い精度で偵察しないといかんな。


反省はその辺にしてだ・・・エルフの少年一人に寄ってたかって、酷いな。


いや、訳有か?


この少年がダークエルフにとって相当厄介な存在だから、確殺しようとしているのかな。


光の分身体で出来ることは、光の粒子を使うことだけだったから・・・


俺はおもむろにダガーを成形した。



「誰かいるぞー!」


ダークエルフの声が暗闇に響いた。



やば、バレた。


隠しながら成形したのに、光が漏れたか、月光が反射したか。


取り乱しそうになったが、反省を活かし、冷静に辺りを伺った。



ダークエルフが攻撃の手を緩め、身を潜め始めた。


ただ、エルフの少年の動きも止まってしまった。


いやいや、お前は、逃げろよ!


って、ダメか。


少年にしてみれば、暗闇の中で、ダークエルフ以外の者が増えたとしても、それが仲間とは限らないもんな。


逃走はおろか、やたらと動くことさえできないか。


それならそれで結構!


このままの小康状態で、グラーシュが到着すれば、それはそれで俺の分身体の先行目的は達成される。



ん?


これ・・・


俺が攻撃する必要ないな。


むしろ、もうちょっと圧を掛けれないかな。



ヨシ!


分身2体増員!


これで、ダークエルフは5人で俺3人と少年に注意を割くことになった訳だ。


ますます迂闊に動けんだろ!


ここで、もういっちょ畳み込むか。



「おーい!エルフの少年、3人で助けに来たぞー!」


何の戦略性も感じさせないように、むしろ清々しさを感じるくらい、敢えてバカデカい声で叫んでやった。


これで、ダークエルフは、敵がいることを認識したわけだ。



同時に、少年も“敵5名、不明者1名”の6名が、“敵5名、不明1-3名”の5-8名になったから、更に動けなくなったな。


気は抜けないが、これで小康状態は確固たるものになった訳だ。


あとは、グラーシュを待つだけだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ