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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第34話 緊急時の難しさ

暗闇の藪の中を、手や足の擦り傷も顧みず、必死で走るエルフの少年の姿が見えた。


その少年を、ナイフや弓矢を手にした複数のダークエルフが追撃している。


厄介事、もう始まっちゃってるじゃん?


あーっ、勘弁してよ!



「グラーシュ、起きてるー?」


俺は急いでキャンプに戻って声を上げた。


「はい。」


返事がした方を見ると、グラーシュは、明日の準備をしていた。


真面目でよろしい!


「ごめん、今から・・・」


「なんだ、騒々しい!!」


でぇーっ、侯爵、居るんだった。


ってか、疲れているんでしょ。


下々の御戯れに、なんで起きてくるのよ!


首をトーン!ってやって気を失わせることが、俺にできたら絶対やってたわ。


って、四の五の考えている場合じゃない!


「侯爵、緊急事態なんで、すいませんね。グラーシュ、悪いけど今からオルフに乗って、エルフの少年を助けに行ってほしい。」


「1人でですか?」


「いや、アルディと一緒に!俺は分身を飛ばすから先に着くと思う。」


「先に?」


「うん。」


「分かりました。」


グラーシュがいつもどおり理解を止めて納得してくれた直後に、柔らかな光を放つ分身体を創り出した。


その直後、音も立てずに分身体は少年の下へ飛んでいった。


夜空に、分身体から伸びる僅かな光の筋が残っていた。


「助けに行くのは、あの光の先のダムの淵で逃走中の・・・」


「おい、ルラン!今何をした!」


「ちょっと、待ってください!緊急だって言ったでしょ!」


「む・・・」


「エルフの少年は、多分だけど、ダークエルフっぽいのに襲われているんだわ。しかも複数居る。」


「ダークエルフだと!?しかも、複数!?」


「侯爵っ!」


「す、すまん。」


「俺たちも、ここを片付けたらすぐに向かうから!」


「それなら、ルラン様も・・・」


「大丈夫、俺はもう・・・ってか、そろそろ、エルフの少年とコンタクトできるはず。」


少年が俺を味方と認定してくれるかは自信がないけど。


「分かりました。」


「質問は?」


「少年の助け方は?」


「そうだね。とりあえず、ダークエルフのことが分からないから、少年保護が最優先で、ダークエルフへの攻撃は最低限にして。」


「はい。」


「とにかく、ダークエルフを殺すのは無し!」


ダークエルフの爆散遺体も、ダークエルフの返り血を浴びたグラーシュも見たくないし。


「それと、保護した少年の希望を聞いて対応してね。集落に戻りたいなら送るとかね。」


「分かりました。」


「ごめんね、話が上手くまとまってなくて。」


「大丈夫です!」


「じゃ、よろしく!少年の大体の位置は、アルディが分かるはずだから、先頭はアルディで。」


「御意」



グラーシュはオルフに乗って、ネロアに跨ったアルディと現場に向かった。


その直後に背後で大きな嘶きが聞こえた。


振り向くと、エレナに手綱を引かれたストークが、今にも噛みつきそうな顔で俺を見下していた。


グラーシュに置いてかれて、お怒りの様子だ。


緊急事態なんだよ、ごめんな。


見るに見かねて、侯爵が近づいき、ストークの顔を撫でながら、話しかけてきた。


「そろそろ、お前の言う緊急事態とやらの詳細を聞かせて貰おうか。」


「先ほどは、すいませんでした。」


「いや、いい。ルーロックのエルフはミーヴの協力者だ。その少年が今まさに襲われているのならば、その救出が最優先なことに異論は無いからな。ただ・・・」


「何です?」


「うーん、わからんことだらけだ。まずは、きっちり説明してもらうぞ。」


怖いなぁ。


「お手柔らかにお願いしますね。」


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