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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)

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第33話 伐採の心労

「ルラン、何をするんだ?」


「何って、さっき言ったでしょ、木ぃ、切りに来たんですよ。」


「木?」


「とりあえず、侯爵は見ててください。」


「うむ」


「グラーシュ、やって良いのどれ~?」


「ちょっと待ってくださいね。」


・・・


「それです!」


グラーシュが指を差した木に近づき・・・


あぶなッ!


侯爵、めっちゃ見てるし。


カムフラージュしないと!



まずは、来ていたローブの中で、闇の粒子製の斧を成形して取り出す。


次に、ローブを木の根元に着せるように巻き着けて、袖で結ぶ。


後は、ローブの下を斧で・・・。


「ふんっ!」


「ふんっ!」


少しずつ傷が付いて行く立木。


何やってるんだ俺・・・。


「何やってるんですか、ルラン様・・・」


「え?いつも通り、木を切ってますが、何か?」


すかさず、グラーシュにウィンクでサインを送った。


「あ、すいません。」


いや、グラーシュ、その返事は、マズい。


俺の後頭部に、侯爵の視線が刺さったのを感じた。


こういうのは“空”でも、痛いくらい分かるんだな。


これは・・・方法を変えるしかなさそうだ。


「グラーシュ、そろそろ飯になると思うし、遅くなっちゃうからさ。先に、切っていい木だけ教えて。痕を付けておいて、食事の後にでも順に切って回るから。」


「分かりました。」


ローブを着て、斧を収納し、ダガーに持ち替えて、グラーシュの示す立木に傷をつけて回った。


・・・


「こんなもんでいいよ。キャンプに戻ろうか。」


「はい。」


20本くらいになったところで、引き上げた。


野営地に戻るまで、侯爵の疑いの目を痛いくらい感じた。


カムフラージュ失敗すると、疑惑が深まるだけだな。


ていうかさぁ、初めから疑われてる状態でカムフラージュしたって上手くいくわけないじゃん。



・・・



無事に食事を済ませた。


「今日は楽しかったぞ。明日は帰るだけだな。お先に。」


そう言うと、侯爵はいつもと違う刺激に疲れ果てたのか、すぐにテントに入ってしまった。


俺は、侯爵のテントが寝静まるまで焚火に当たりながら待ち、改めて痕を付けた木を伐りに戻った。


いつも通り根元にゲートを展開して、自由落下する木を回収した。


音もたてずに回収できるから、侯爵を起こすことも無いし、何より楽ちんだし・・・。


あっという間に予定していた20本を全て回収した。


吸収したらすぐに処理!・・・だったな。


まずは乾燥して、加工して、棒材と枯れ葉をストックっと。


今度は、先生がダイヤモンドにしようとしたら阻止せねば。


次は・・・ルーロック山の偵察かな。


やっと、メインタスクに取り掛かれるわけだ。


よく辛抱した!


自分で自分を褒めてあげたい。


転生してからこっち、俺を褒めてくれる存在なんて・・・


それはそれとして・・・


光の粒子!散開!


・・・


んー!


この山には褐色の肌のエルフが居るのか。


まさか、世に聞くダークエルフっちゅうやつか。


暗い中で偵察しているせいか、はっきりとは分からないけど。


でも、なんだろう。


ダークエルフだけの小さな集まりは、他のエルフの集落から離れたところにあるなぁ。


それに、単に狩りをして山で自給自足するだけする割には、武器のストックが多いような。



もしかして、これヤバいんじゃないか。


見ちゃいけないものを見てしまったような気がしてきた。


なんか・・・マイール山はエルフ対暴走しているゴブリンとオーガって割と単純な構図だったけど。


もし、エルフ対ダークエルフだとしたら・・・すげぇ嫌な予感がする。


杞憂だといいんだけど。


まぁ、でもあれか。


ルーロック山の住民が、自分たちで解決する問題なのかな!?


きっとそうだ!


そうに違いない!


ってことにして、とりあえず、明日の帰り道の確認をしよう!


ダムを回って最奥まで来たんだから、せっかくだし来た道じゃなくて、ぐるっと回って帰りたい。


帰り道は、どんなかな~・・・・。


散開していた光の粒子を、帰り道の偵察に当ててみた。



――!



ちょっ、ちょっと待った、ちょっと待った。


どーなってんのよ!


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