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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第32話 野営はみんなで

今までのところ侯爵には転移魔法を使っていると思われているはずだけど、用心に越したことは無い。


侯爵の目を盗んで慎重に野営セットを取り出した。


出すところは幸いにも見られずに済んだが、出し終わった物を見た侯爵は、1つずつ手に取り、確認していた。


まだ何かを探っているのか?


百歩譲って探っているのは良いけど、堂々とやるな!


シーデリアの四大都市のうちの1つであるミーヴを治めている侯爵だからって、もっと申し訳なさそうにやれ!


って言いたいけど、要らぬおせっかいだろうからやめておいた。



「色々言われなくなったら終わりよ!」と頻繁に職場で言われたのを思い出した。


言われなくなった姿が、目の前にあるが、“終わっている”ようには見えない・・・。


むしろ、伸び伸びと自分のしたいことを、他人の目も気にせずやっている・・・。


アレか?


終わるのは、会社員としてじゃなくて、“若手”時期が終わるって事だったのかな。


いや、違うな。


単に、小言を正当化する為に、後からこのフレーズを言い足しているだけかもしれないな・・・。


でもまぁ、小言を言われて、言って・・・そのくらいの関係の方が、イイ感じに人間臭いのかもな。


という訳で・・・


「侯爵、何か気になる事でもありましたか?」


「いっ・・・いや別に何も・・・。これはルランが転移魔法で出したんだよな?」


「はい。」


「そ・・・そうか。では、夕ご飯楽しみにしてるぞ。」


そう言うと侯爵は、そそくさとその場を後にしようとした。


なーに言ってんの!?


それに逃がさねぇかんな。


「侯爵にも、準備手伝ってもらいますよ。」


「はぁ?おまえ、何を言ってるんだ!」


「手伝ってって言ってるんです!ここに何人で来てると思ってるんですか?手分けしてやるの!」


こういうのは、やんややんや言いながらみんなでやった方が楽しいから。


「む・・・」


「侯爵、こちらへどうぞ」


グラーシュが、てててっと走って来て侯爵の手を取り連れて行った。


ナイス!


グラーシュに任せよう。


そのままテントに誘導するも良し、一緒に御野菜切るのも良し!


俺はチャンスを提供するのみで、できるだけ自発性を尊重するスタイルだからね。



俺の担当は火起こし!


って言っても、ストックしてある乾燥木材を取り出して組んで・・・。


同じく、ゲート内で溜まりまくっているエネルギーを放出すれば・・・。


ボッ、ボーーーッ!


あら不思議、キャンプファイヤーの出来上がり。


日常でエネルギーを使い切れと先生に言われてるけど、消火の際に熱エネルギーを回収して消化するから、無駄にエコなんだよね。


そう言えば、先生に勝手に木材を使われてストックが減っているんだった。


グラーシュと森に入って木材を集めねば・・・。


グラーシュのもとに行くと、侯爵も手伝っていた。


野菜やら肉やら懸命に切っている。


今日一番の活躍をみせてくれてますね~。


「グラーシュ、悪いけど、ここは侯爵に任せてさ。間伐に入りたいから、付いてきてくれる?」


「ルラン!」


ちょ、いきなり噛みついてくるやん。


「できるでしょ、それを料理にまとめるくらい?全部入れてスープでいいですから。」


「そうじゃない、連れてけ!」


おいおい、マジかよ。


「木ぃ、切って、回収するだけですよ?」


「いいから!」


「ちょ・・・」


・・・


「分かりましたよ。」



料理は馬の世話をしていたエレナに任せて、俺とグラーシュに侯爵を加えて森に入ることにした。


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