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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第30話 怒りよ、静まり給え

おじいさんの説得と、梟のモフモフが奏功した。


先生は話ができるくらいまで怒りを納めてくれた。


とにもかくにも、状況確認だ。


何に怒っているか分からなければ、対応のしようがない。


怒りが落ち着いている今がチャンスだ!



「時間を負って状況を確認してもよろしいでしょうか?」


「いいわよ。」


「まず、私は、闇の粒子の球体を投げました。この点はOKですか?」


「別にいいわ。今まで教えた事の範囲だし、別に危険なことも無かったし・・・。」


「了解です。」


「☆あげないからね。」


「それも了解しました。」


こんなに怒っているのに、「闇の粒子の新しい使い方を修得しました。☆下さい!」なんて、言えるわけがない。



「次に、投げた対象は、敵・・・生き物でしたが、全てを丸のみにしたのではなく、一部を吸収するにとどめました。この点は?」


「別にいいわ。エレナのハルバードで切った場合と同じでしょ。切り口が違うだけで・・・。」


「了解です。」



「そして、吸収した肉塊を放置しました。この点ですよね?」


「そうよ!あんたバカじゃないの!いきなり生肉が来て、そのまま放置されていたのよ!下処理されて丁寧に包装された食用肉の贈答品ならいざ知らず、血の滴る生肉を剥き身で唐突に届けるヤツ、居る?居ねーよなぁ?ホント、頭悪いわ!サイテーよ!」


「はい・・・私の落ち度です。生肉を放置してしまい、大変申し訳ございませんでした。」


深々と頭を下げた。


まぁ、言われてみれば、まったくその通りだ。


俺の自室にいきなり血の滴る生肉の山が届いて放置されたら、キレるだろうからな。


今までは吸収後の使用目的があって、必要な対象を吸収していたから、吸収後に放置することも無かった。


生き物を吸収するなって言われてたから、そもそも生き物に向けて吸収をする事も無かったし・・・。


でも、ある意味、先生は俺を認めてくれたわけだ。


生き物に向けての闇の粒子の行使を・・・。


あ、いや、自分勝手な判断で、また怒られても嫌だから、次に先生と会う時までに自分のしたいことを明確にして、打合せしよう。



「っていうか・・・そんなに気持ち悪くて、嫌だったら、勝手に処理してしまえば良かったんじゃないかのう・・・。説教ならいつでもできる訳だし。」



―――っ!!



戦慄が走った。



ヤバい・・・背筋が凍って動けない。



慌てて梟がおじいさんの肩から飛び立っていった。


「あ・・・待って・・・」


おじいさんは情けない声を上げて、追いすがる・・・。


ビターンッ!


次の瞬間、生々しい音が響き渡った。


おじいさんの後頭部を、先生が力任せに生肉で引っ叩いた音だった。


その勢いで倒れ込み、四つん這いになってしまうおじいさん。


そこを、先生が生肉で、追い打ち。


生肉で、ビタンビタンと、叩きまくり・・・。


なんだ、この猟奇的なSMプレイは・・・。



「もうその辺で・・・」


俺が言い終える前に、先生がキッと睨んできた。


「あ・・・すいません。」


おじいさんには悪いけど、先生のガス抜きを任せよう。



吸収したら必ず処理!



吸収したままにしない!



強く・・・何度も・・・肝に銘じた。


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